『転職人材奪い合い 大手が好条件、中小は守勢』

これは2018年2月22日の読売新聞7面に掲載された記事の見出しです。企業の景気回復、人手不足による転職市場が活況になっているのですね。

何と、1000万円以上の年収案件や、幹部ポスト提示の案件が相次いでいるそうです。

その一方で中小企業では優秀な人材流出防止のため危機的な状況もあるそうです。

 

転職市場の現状はどうなっている?

読売新聞の記事には転職市場のデータがグラフ化され掲載されています。著作権の問題でここに転載出来ないので、私が独自にデータを調べ、グラフを作ってみました。

それがこのグラフです。

転職有効求人倍率
グラフ1.転職有効求人倍率

青い折れ線グラフは、リクルートキャリア調べの転職有効求人倍率です。2015年夏ごろから求人倍率は上がり始め、2018年1月時点では1.82となっています。1人の転職希望者に対して1.82件の求人があります。

赤い折れ線グラフはDODA調べの転職有効求人倍率です。同じく2018年1月時点では2.35となっており、転職希望者1人に対して2.35件の求人があります。

そして緑の折れ線グラフは総務省から発表されている一般有効求人倍率です。転職希望者以外も含みます。

このデータを見ると、転職市場が売り手市場であることがよく分かります。仕事の注文はあるのに、人手不足でさばけない、そこで即戦力の中途採用、転職者を採用したい、そんな企業側の意図が見えます。

 

当然、こんな転職希望者の売り手市場ですから、採用条件も好条件が出てきます。読売新聞の記事によれば、2017年に年収1000万円以上の転職求人数は2016年から倍増したそうです。いや、すごいですね。倍増です!

年収1000万円とまではいかなくても、転職によって年収が1割以上アップした人の割合は30.4%(2017年10月~12月)だそうです。これは集計を始めた2002年以降最も高い数値です。

 

普通、サラリーマンがいっきに年収を1割、2割アップするって、これはなかなか難しいです。会社の業績がよくて臨時ボーナスでも出れば可能でしょうが、それは毎年継続するものではありません。

そう考えると、年収の大幅アップを目的に転職しようとする人がたくさん出て来るのは当然です。中小企業で低賃金に不満な人はむろん、大企業で高収入を得ている人でも更なるアップを考える人がいることでしょう。

 

給料袋

 

こうした転職採用の好条件は、既存社員から見ると不公平感が出てきます。それなら自分も他に転職して収入を増やしたいと思う人だって出てきます。

中小企業では転職採用に苦労すると同時に、自社の人材流出防止にも苦労するのです。同記事によれば、中小企業3,868社を対象に行った調査では55.2%の企業が今年度に賃上げを行っており、その半数以上は社員の転職を防ぐための防衛的賃上げだったそうです。

 

設備保全も今こそ転職のチャンス到来か?

さて、それでは設備保全と言う職種の転職事情はどうでしょうか?やはり売り手市場なのでしょうか。

残念ながら設備保全と言う職種での有効求人倍率を示したデータは見つからなかったのですが、リクルートキャリアに電気エンジニア、機械エンジニアの有効求人倍率が載っていました。

2018年1月のデータ

●電気エンジニア 3.00倍

●機械エンジニア 3.02倍

電気、機械のエンジニア転職希望者1人に対して3件の求人があるという訳です。これはかなりの人手不足状態、まさに売り手市場です。

 

むろん、電気エンジニア、機械エンジニアがそのまま設備保全とイコールとは言えないかも知れません。

しかし、企業の景気が良くなれば設備投資も活発になり製造ラインの新設、増設も発生するでしょう。そうなれば設備保全の要員も不足してきます。転職者の募集によって即戦力を補充しようとする企業は多いはずです。

 

私が勤務していた半導体工場でもそうでした。とにかく半導体業界は景気の波が激しく、景気がいい時期に稼げるだけ稼ぐ、みたいなヤクザな世界でした。

従って増産対応も急に決まり、決まったとなれば即、設備投資、人員増強となります。こうした急な増産対応で人員を増やすと、当然ですが今度生産量が落ちた時に余剰人員が出てきます。

そんな先を見越して、正社員を増やすことなく外注に出したり、あるいは派遣社員や請負業者を使うことがあります。

 

業績アップ

 

恐らく、現在の人手不足状態も、まずは正社員を増やさずに派遣社員の増員で対応しようと考える企業は多いはずです。当サイトで紹介している全国都道府県別の設備保全求人を見ても、派遣社員の募集は非常に多く、中には時給が2,000円を超え、月収で50万円を超える求人案件も珍しくありません。

 

しかし、派遣社員ではカバー出来ない専門性の高い設備保全となれば、これはもう正社員募集でカバーするしかありません。そうした求人案件では年収で700万円前後を提示、必須資格にズラリと専門資格が並びます。初めから管理スタッフとしての求人も出ています。

 

まとめ

こうした転職市場の活況を背景に、あなたも今より年収アップ、仕事のステージアップを狙って転職を考えてみるのもアリだと思います。

ただ、1つだけ要注意なのは場当たり的な増員による求人案件に気を付けることです。好条件で転職が出来たと喜んでいたら、わずか2年、3年で生産量が落ちて給与や手当がカットになったり、不本意な人事異動を通告されたり、そんなことになったら大変です。

月給や賞与、手当などの収入面の条件提示だけに目を向けず、企業としての将来性、基盤をしっかり確かめましょう。出来れば企業内部の情報も知っておきたいですね。その企業に知り合いがいればベストですが、ネットの口コミ情報もある程度は利用出来ます。

 

内部情報

 

過去に同じような増員体制を取って、その後トラブルの発生などなかったか、それを確認したいところです。場当たり的な人員計画を行う企業は、同じ失敗を何度も繰り返す傾向があります。過去にトラブルが多かった企業は要注意です。

ただし、基本的にネットの口コミ情報は不満をぶつけたい人の書き込みが多く、客観性や信頼性に欠けます。特に、すでに会社を辞めた人の書き込みはあまり信用しない方がいいです。

以上、今回は転職市場が売り手市場になっていること、設備保全の求人も増えていること、そして応募するにあたっての注意点を記事にしてみました。