私の「設備保全面接採用日記」の第1回です。20年に渡って設備保全をはじめとするエンジニアの求人面接を行ってきた私の体験を綴っていこうと思います。

面接官の視点から見た求人、面接の苦労話です。ちょっとコーヒーブレイク、と言う時にでもお読み頂ければ幸いです。

 

関西では優秀な人材を選ぶ立場でした

私は元々30代前半までは関西で事務機の設計をやっていました。メカエンジニアとして商品開発に加わっていました。

商品開発のやり方はプロジェクト制で、テーマごとに各セクションからメンバーを招集します。メカ設計、制御設計、電気設計、加工、組立て、資材などからメンバーが選出されてプロジェクトに入ります。

私は入社3年目に初めてある商品のプロジェクトリーダーを任されました。その商品は主に金融機関をターゲットにした商品だったのですが、何と開発から35年以上経った今でも売れ続けています。

プロジェクトリーダーになると、そのテーマをいかに早く、高品質に実現するか、それに向けて注力します。当然、プロジェクトメンバーのレベルによって、出来栄えは大きく左右されます。

 

人間関係

 

リーダーとしてはなるべく優秀な人材に加わって欲しいし、使えないメンバーがいれば入れ替えの依頼も出します。

要は、リーダーの役目はメンバーを育てることではなく、優秀な人材を集め、使うことです。私は13年間、そんな仕事のやり方で過ごしてきました。

 

九州では人材を育てる立場に変わりました

ところが30代半ばで関西から九州の実家に戻り、半導体業界へ転職しました。転職先でメカ部門の立ち上げ責任者を任されました。

その会社は電気屋さん、ソフト屋さんはいましたがメカ屋さんがいなかったのです。メカ設計や製作はすべて外部委託していました。

そこで社内でメカ部門を立ち上げようと求人をかけ、それに私が応募して第一号となった訳です。

従って、私の最初の仕事は私に続くメカ屋の人材を集めることでした。求人をかけ、メカエンジニアを採用することでした。

でも私の転職先は地方の小さな中小企業でした。地元で少し知られていても、優秀な人材がどんどん集まるような一流企業でも大企業でもありません。

メカエンジニアと言っても、ほぼ初心者クラスの応募者しか来ませんでした。そのレベルの人材を採用して後は私が育てるしかなかったのです。

 

ハローワーク

 

しかし、冒頭にも書いたように関西にいた当時、私のメインの仕事は人材を集めること、使うことでした。そこに育てる、と言う視点は全くありませんでした。

使えない人材は使えるように育てるのではなく、入れ替えてもらうのが私の仕事だったのです。

それがいきなり初心者を採用して育てる仕事をやるハメになったのです。

優秀な人材は応募してくれませんでしたが、取り合えず応募者はどんどん来ました。完全に質より量です。下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、とばかりに面接を繰り返し、まぁ何とかなるか、程度の人材を採用しました。

そして私が基礎の基礎から教えていったのです。

しかし・・・

繰り返しますが私は人事の経験、中途社員の採用など全く経験したことがありませんでした。面接で応募者の資質を見抜く術など知りませんでした。

例え初心者クラスの応募者でも、教えていけば使い物になるのか、それとも時間の無駄なのか。そこを見極める眼力が必要だったのです。

悲しいかな、そんな眼力のない私は外れくじばかり引いてしまいました。まぁ、本当によくもまぁ、わざと外れを選んで採用したのではないかと思うくらいひどい状況でした。

 

食い逃げ、給料泥棒、引きこもりを採用

私が面接を始めて半年くらいの間に採用した中途社員は・・・こんな有様でした。

●初めての給料日の、翌日から行方不明になってしまった。

●入社後、バーベキューで歓迎会を開いたら、焼き肉をたらふく食べてすぐに辞表。

●入社後1ヵ月ほどで段々と会社に来なくなり、ついにはアパートに引きこもり。

●入社後、1ヶ月の技術研修に行かせたら、戻ってきてすぐ次の会社へ転職。

●大人しくてまじめそうな人材だと思って採用したら、すぐに同僚と大喧嘩して辞表。

いやもう、我ながら人を見る目のなさに自信喪失、自己嫌悪に陥りました。会社には正規の人事部門があり、そこの担当者も応援してくれるのですが、何しろメカ屋さんの採用経験がなく私の一存で採用を決めていたのです。

 

バーべキュー

 

やっとまともな人材が採用できるようになったのは、それから1年ほど経ってからです。やっと私も求人、採用のやり方が分かってきました。

エンジニアを育てて使おうと思ったのは大間違いでした。そんなつもりで採用するから食い逃げ、給料泥棒、引きこもりを採用してしまったのです。

経験の浅いエンジニアを採用して育てて使うのではなく、「自分でかってに育つ人材」を採用するべきだたのです。ここを間違っていました。

しかし、そんな人材が全く応募してくれなければ選びようがありません。外れくじばかりだといくら引いても当たりは出てきません。

いかにして優秀な人材にも応募してもらえるようにするか。まずはそこからのスタートだったのです。

 

人材探し

 

このメカ屋さんの求人、採用に関しては本当に20年間ずっと苦労しました。特に最初の5年間くらいは私の仕事の50%以上の時間とエネルギーを注いでいたと思います。

その苦労の末に、キラリと光る人材を採用することが出来るようになるのですが、それはまたこのカテゴリーで追々と話していきたいと思います。