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女性が設備保全やメンテナンスの仕事に応募可能でしょうか?
むろん、男女雇用機会均等法の手前、「女性の応募不可」なんて求人は1件もありません。キャリアや資格などの応募条件をクリアしていれば女性でも応募は可能です。
また未経験者歓迎案件であればキャリアがなくても応募は可能です。
では、実際に女性が設備保全やメンテナンスの仕事で採用される可能性があるのでしょうか。実態はどんなものでしょうか。
今回は女性の設備保全転職について考えてみたいと思います。あなたが女性の設備保全士を目指すならぜひ最後までお読み下さい。
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設備保全に女性の応募が少ないわけ
工場の生産現場で働く女性は大勢いますが、こと設備保全、メンテナンスとなるとまず見つかりません。極めて少数です。
かつて私は20年間、半導体工場で設備保全に関わってきました。その間、500人ほどの採用面接を行いましたが、女性で設備保全、メンテナンスがやりたいと応募して来た人は1人もいませんでした。ゼロです。
むろん、募集要項に「女性不可」など書いてありません。それでも応募はありませんでした。なぜ、それほどまでに女性の応募者がいないのでしょうか。
それは設備保全、メンテナンスの現場にはこんな現状が存在しているからです。
●現場は男性ばかりで女性の保全要員はいない。
●工具や部品を扱うため、指、爪は汚れたり傷ついたりすることが頻繁にある。油まみれになることも日常的に発生する。
●現場でトラブルが発生すると急な残業や休日出勤が発生することがある。深夜の作業になることもある。
●保全作業の中には力仕事もある。
●作業服を着てメンテナンス現場で1日を過ごすことになる。おしゃれな現場とは程遠い。
こんな職場は普通は女性に敬遠されます。好き好んで油まみれになる女性はいません。
更に、今あげた職場環境もありますが、そもそも設備保全やメンテナンスを仕事にしたいと思う動機が薄いと思います。他にいい仕事はいくらでもあります。
むろん、女性でも機械いじりが大好きで、何でも分解して中を見ないと気が済まない、といった人がいるかも知れません。
三度の飯より機械のチューニングが好き、工具を握っていると幸せ、そんな女性がいれば話は別です。

実際には2%の女性転職者が存在する
大手転職サイトDODAの職業図鑑を見ると、「整備士/サービスエンジニア」における女性の転職者の割合は2%です。
サービスエンジニアの仕事で転職した100人に2人は女性なのです。
この2%の女性エンジニアがどんな理由で保全職を選び、どんな保全業務を行っているのか、そこまでは分かりません。しかし、確かに女性の設備保全士は存在しています。
あなたが女性設備保全士を目指しているなら、それは絶対不可能な話ではありません。ただし、2%と言う数字が女性に対する厳しい現実を示しています。
ここでもう1つデータを紹介しておきます。政府統計の窓口「e-Stat」に2017年の職業別就業人口が掲載されています。
この中に「機械整備・修理従事者」と言う項目があります。設備保全、メンテナンスもここに含まれていると思われます。
その就業人口が以下の通りです。
●男性 112万人(97.4%)
●女性 3万人(2.6%)
先ほどのDODAのデータは転職者の比率でしたが、こちらは就業者の比率です。女性の就業者比率が2.6%で転職者比率が2%です。
女性のあなたが設備保全の求人を探す方法
ではどうやって女性が設備保全、メンテナンスの仕事を探せばいいのでしょうか。当サイトで紹介している転職サイトで見つかるでしょうか。
例えばDODA、リクナビNEXT、キャリコネ、パソナキャリアなどの求人検索では、「こだわり検索」で「女性が活躍」と言う選択項目を設けています。(図1、図2)

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では、こうした大手の転職サイトで、設備保全、メンテナンスの仕事を選び、かつ「女性が活躍」を重ねて選択すると、どんな求人が出てくるでしょうか。
多くの女性が設備保全の仕事で働いている、また採用している企業が見つかるのでしょうか。
実際にやってみると、ごく普通の設備保全、メンテナンスの求人が出てきます。特に女性が活躍しているとか、女性の採用に力を入れているとか、そんな求人は全くありません。
「女性が活躍」検索は使えないことが分かりました。
ではどうすればいいでしょうか。私もズバリ解決策を申し上げられないのですが、1つの方法としては転職サイトのエージェントサービスを利用する方法があります。
業界情報、企業情報に精通した転職のプロにあなたの希望を伝え、採用してくれる可能性がある求人をマッチングしてもらうのです。

ただ、どんなに優秀な転職エージェントでも企業からの求人がないとマッチング出来ません。女性の設備保全要員を採用する求人がどのくらいあるか、そこが問題です。
むろん、表向き女性が応募出来る設備保全の求人はいくらでもあります。女性だからと言う理由で応募出来ない求人などありません。
また、男女雇用機会均等法では、
「女性には大変な仕事なので採用は難しい」
と言う断り方は禁止されています。これは男女差別に当たります。つまり、応募するのも男女平等、採用に当たっても女性だからと不利に扱うことは禁止されています。
でも、これはあくまで表向き、建前の話です。先ほども説明しましたが多くの企業は設備保全に女性を想定していません。
あなたが転職エージェントサービスを利用しても、恐らくは相当厳しい現実ではないかと思います。でも、初めからダメと決めつける必要はありません。
まずはダメ元くらいの気持ちでエージェントに相談してみて下さい。
女性の設備保全転職成功事例
さて、件数は少ないですが女性の設備保全転職成功例もあります。DODAでは2%と紹介されていましたが、私はネットで2件見つけました。
一人は20代の女性で化学プラントで設備保全をしています。もう一人は30代の女性で部品メーカーの量産工場で設備保全をしています。
このお二人に共通している点が3つあります。
①設備保全と言う仕事が好きである。
②機械保全技能士の2級資格を持っている。
③派遣社員として保全業務に当たっている。
まず、何より設備保全、メンテナンスの仕事が好きじゃないと務まりません。女性には過酷な環境も想定されます。
次に保全業務を行う為の知識、スキルは男女に関係なく必要です。お二人とも機械保全技能士の資格を取得することで知識やスキルを身に着ける努力をされています。
それでもやはり、女性を保全要員として採用することはハードルが高く、そのため正社員ではなく派遣社員として働いています。企業側も派遣の方が採用しやすいのは確かです。
当然ながら実績を残していけば正社員登用への道も拓けることでしょう。
ただ、このお二人の例も珍しい例であり、決して多くはありません。あなたが女性保全マンを目指すにはそれなりの覚悟と努力が必要です。
全国に拠点があり、勤務地、業種、寮、収入など、あなたの希望にピッタリの仕事・生活環境を探すことが出来ます。決めたら90秒でカンタンWEB応募が可能です。
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*工場ワークス
製造業に特化した転職サイト。全国各地の工場求人情報が27,000件以上、毎日更新。軽作業で高収入案件が多いのが特徴です。
まとめ
女性のあなたが設備保全の転職を叶えるにはどうすればいいか、記事にしてみました。結論としては「難しい」と言う内容になってしまいました。
最後に本文の内容をまとめておきます。
●設備保全、メンテナンスの求人で女性の応募を拒否する求人は1件もない。男女雇用機会均等法で差別を禁じている。
●しかし、実際には企業として女性採用を想定しているケースは極めて少ない。
●DODAの職業図鑑でも女性のサービスエンジニア転職率はわずか2%に過ぎない。
●設備保全の仕事をしたい希望を転職エージェントに伝えてマッチングしてもらう方法もある。
●機械保全技能士などの資格を取得し、派遣社員として設備保全職に就いた事例もある。
繰り返しになりますが、女性のあなたが設備保全、メンテナンスの仕事に転職するのはかなり難しいです。企業の多くは女性の保全要員を想定していません。
そこを突破するには、あなたがいかに設備保全要員として適性があるか、強い志望動機を持っているか、それを伝えることが必要です。