設備保全の月給、年収、時給について記事にしてみます。
あなたが設備保全の転職を考える時、やはり収入面の条件は大きな決定要因となるはずです。誰だってなるべく給料は多い方がいいに決まっています。
そもそも、今の給料は安すぎないか?そんな疑問、不信感を持っているかも知れませんね。
そこで私がdodaの求人情報から、設備保全の正社員の月給と年収を調べてみました。また工場ワークスのデータから派遣社員の時給を調べてみました。
月給・月収・年収の中身とは?
今さらですが、最初に言葉の定義を確認しておきます。
●基本給
あなたの収入の一番基本になるのが基本給です。この基本給が高いほど、あなたの収入は多くなります。基本給とは残業代や交通費、役職手当など諸手当を含まない賃金を指します。基本給は年齢、キャリア、職種、技能などによって決まります。
賞与の時に、例えば3ヶ月分と言えば、基本給の3ヶ月分とするのが一般的です。なので基本給が高いと賞与も多くなります。
●月給
月給とは、毎月必ず支払われる固定の賃金です。残業代などの金額が変動する賃金は含みません。基本給に役職手当や資格手当など、毎月固定で支払われる手当を加えたものです。
●月収
月収とは年収を12等分してひと月当たりの金額を計算したものです。
●年収
年収は税金(所得税や住民税など)や保険料(健康保険料、厚生年金保険料など)が差し引かれる前の年間の総支給額のことです。賞与や特別手当など、全てを含みます。
あなたが設備保全の仕事を探すとき、正社員募集の案件ならまず基本給を確認することです。基本給が低くて諸手当で補充する条件提示もよく見られますが、それだと賞与が低く抑えられたり、先々手当が見直しになると減額されることもあります。
正直、私が勤務していた半導体工場でも基本給の不足分を手当てや調整給と呼ばれるものでカバーしていました。優秀な人材を獲得するためにはやはり賃金は大きな要素になります。しかし、企業のホンネで言えば出来る限り人件費、固定費は安く抑えたい。
その為に基本給は抑えてプラスアルファで補っていたのです。景気が悪くなるとプラスアルファの部分は削られたり、ひどい場合には消滅したりします。
地方の中小企業の実態はそんなものです。だからこそ、あなたは入社前にしっかり基本給と諸手当を分けて、個別に金額を確認して下さい。
設備保全 正社員の月給・年収
私は最初にネット上で設備保全の月給や年収のデータがないか、探してみました。すると、建築、IT系の保全業務についてはデータがありました。
しかし、工場の生産設備の保全業務に関する月給や年収データは見つかりませんでした。
そこで、dodaの最新求人データから、設備保全の正社員募集案件を52件調べてみました。むろん、それは求人情報からのデータであって、募集条件です。
実際に設備保全で働いている人の実績金額ではありません。その点はご了解ください。
さて、52社の設備保全求人条件を調べてみると、こんな結果でした。
1.設備保全の月給
52社の設備保全の月給は、こんな感じでした。
●平均 26万1,115円
●最低 16万円
●最高 50万円
ここで示す月給とは、基本的に諸手当を含みません。いわゆる、基本給と言うやつです。実際に毎月支給される給料は、この基本給に残業代や交通費、家族手当、住宅手当などの諸手当が追加になります。
金額提示の詳細は各企業によって異なるため、あなたが応募する時はしっかり明細を確認して下さい。
なお当然ですが、この金額はあくまでも平均値であり、実際にあたがいくらもらえるかは、あなたの年齢、キャリア、その他の査定結果によります。
設備保全がほとんど経験のない若い社員と、経験豊富で管理業務までこなす社員では月給は2倍、3倍くらいの差がつくかも知れません。
また、働き方によっても大きく左右されます。同じ仕事でも日勤だけの場合と、シフト勤務で夜勤があれば手当がかなり違います。
2.設備保全の年収
では、諸手当まで含んだ毎月の給料から年収を計算した時に、いったい設備保全の仕事はどのくらいもらえるのでしょうか。
これも同じく52社のデータから調べてみました。
●平均 479万9898円
●最低 250万円
●最高 820万円
この年収は毎月の給与に賞与が加わったものです。特別なボーナスが含まれることもあるでしょう。あなたの仕事ぶり、実績評価によって査定結果は変わってくると思います。
従って上の金額も単なる目安であり、実際にあなたがいくら年収を稼ぐかはあなた次第と言うことになります。
ちなみにdodaのホームページに載っている、工場の生産技術の仕事では、平均年収が498万円となっています。
私が調べた設備保全の仕事より多少高い金額ですが、ほぼ同じです。私が任意に選んだ52社のデータですが、けっこういい線いってる、正確さがあると思います。
また、同じくdodaの資料によると、オペレータの平均年収は337万円となっています。設備保全に比べると143万円低くなっています。
一概には言えませんが、オペレータよりも設備保全の方が技術職として高給になっているのだと思います。
3.資格を取得して年収アップをねらう
なお、年収アップを実現する手段として、資格の取得が考えられます。単に資格手当を狙う、と言うよりも自分のスキルアップが狙いです。
漫然と日々の保全業務をこなすだけでスキルアップは図れません。資格取得を決意し、計画を立てて勉強することにより知識が体系的に増えていきます。モチベーションも上がります。
そして苦労して取得した資格を実務で活かすことにより、あなたの保全要員としてのスキルは磨かれ、評価が高まると同時に信頼度もまた高まります。
自ずから年収アップも期待出来ようと言うものです。
万一、あなたの努力に対して会社の評価が折り合わない場合は、転職も選択肢の1つです。エンジニア系の転職は人手不足状態にあり、転職求人倍率は3倍を超えています。(DODA調査)
転職によって年収アップが期待できる求人を多く掲載している転職サイトを6社紹介します。
設備保全 派遣社員の時給
あなたが派遣社員として採用された場合、賃金の基本となるのは時給です。1時間当たりの賃金ですね。派遣社員の場合、多くは毎月固定の賃金が支払われることはなく、月に何日、何時間働いたかで金額が決まります。
例えば、時給が1,500円で、1日の勤務時間が7.5時間、月に23日働いたとすると、
給料=1,500円×7.5時間×23日=258,750円
こんな計算になります。
むろん、これに残業や休日出勤があればその分の賃金が加算されます。ここでは基本となる時給に絞って派遣で設備保全をやった場合の賃金を見てみましょう。
1.関東の派遣社員の時給
私が調べたのは、関東圏の派遣社員で、仕事が設備保全だった場合です。工場ワークスから最新データ62社を調べたものです。
その調査結果が下のグラフです。
最も多い時給は1,400円から1,599円までの間で、全体の38%を占めていました。また、2,000円以上の時給も15%あり、最高は2,200円でした。
仮にあなたが2,200円の時給で働いたとすると、1日7.5時間、月に23日で379,500円となります。これに残業代や交通費などを加えると、40万円を超えるかも知れません。
また、夜勤シフトなどに就くと、手当がけっこうな高額となり日勤だけに比べるとかなり多くなります。
この時給ですが、地域差もあると思います。今回紹介したのは関東圏の設備保全の時給です。これが私の住んでる九州辺りになると、やはり安くなります。
その分、生活費も安くて済む、と言うことはありますが。
2.派遣社員の時給は誰が決める?
派遣社員の場合、注意が必要なのは雇用契約と労務管理が別々だと言う点です。あなたがある工場で設備保全を派遣社員で行う場合、雇用契約はあなたと派遣会社の間で結ぶことになります。
あなたの時給やその他の諸手当がいくらになるか、それを決めるのは派遣会社です。
一方、あなたにどんなシフトで勤務してもらうか、残業してもらうかどうか、そういった労務管理は派遣先の企業になります。その企業の指示によって働くことになります。
そしてひと月に何時間働いたか、残業や休日出勤はどうだったか、勤務表によって派遣会社があなたに給料を支払います。
ただ、同じ派遣社員でも派遣会社との契約が正社員の場合もあります。つまり、あなたが派遣会社の正社員として契約し、派遣先企業で働く場合です。
この場合は時給計算ではなく最初に説明した基本給、諸手当の合計金額があなたの月給となります。
いずれにしても、お金の話は派遣先の企業と交渉は出来ません。あなたが契約している派遣会社との交渉になります。
むろん、あなたに仕事の指示を出している派遣先企業があなたの仕事ぶりを評価している訳で、その評価が高くないと派遣会社もあなたの時給を上げてくれません。
私が勤務していた半導体工場でも派遣社員は多い時は200名近くいました。派遣会社も3社、4社くらい使っていたと思います。多くは製造現場のオペレータでしたが、設備保全要員としても数名勤務してもらいました。
中には正社員より優秀な派遣社員もいて、数年働いてもらった後に、うちの会社の正社員として中途入社してもらったケースもあります。むろん、その場合は派遣会社と相談の上です。
そんな正社員になってもらった保全担当者たちに聞くと、たいていこう言ってました。
「毎月の収入は減ったけど、勤務先が変わらないのでそれが決めた理由です。」
派遣社員の場合、派遣先企業の都合で契約打ち切りになることは当然あります。仕事の負荷を見ながら人員を調整できるのが派遣社員を使う大きなメリットなのです。
派遣社員の側からすると、やっと仕事にも職場にも慣れたのに、また新しい会社に移って一からと言うのはしんどいものがあります。
それにしても、ほとんどの場合「給料は減った」と言います。派遣社員でも優秀な人は稼いでいるのですね。
あなたが今の時給、月収に不満があるなら、転職も選択肢の1つです。
派遣社員でもっと収入を増やす仕事を探してみませんか?
人気と実績の転職サイト2社を紹介します。
まとめ
このページでは設備保全の月給、年収、時給について私が調べた結果を記事にしてみました。
設備保全の月給
●平均 26万1,115円
●最低 16万円
●最高 50万円
設備保全の年収
●平均 479万9898円
●最低 250万円
●最高 820万円
ここで説明した金額は平均的なもの、あくまで目安です。
設備保全要員としてのあなたの月給、年収、時給がいくらになるか、それはあなたの年齢、キャリア、技能などによって決まります。
そして、設備保全に限らずどんな仕事でも同じですが、人より付加価値の高い仕事を出来る人が、人より多い年収を手にします。これはどんな業界、業種、職種でも言えることです。
あなたがどんな工場、施設で設備保全を担当するにせよ、年収アップをねらうならまず先にあなたの価値をアップさせることが必要です。
ただし、あなたの実力、能力を会社が正しく評価してくれないと収入は思うように増えていきません。無能な上司、いい加減な人事評価、そんな会社なら転職も考えるべきです。