私は半導体工場で20年間ほど製造設備の導入、立上げ、保全を中心とするエンジニア職として勤務していました。

その工場は後工程の工場で、組立てから測定、検査、出荷までを行う工場でした。

私は主に特性検査や外観検査、マーキングやテーピングなどの工程を担当し、生産技術や設備保全を任されていました。

 

部下が30名ほどの組織の責任者として、自らも設計、製作にも加わり、時にはメンテナンスも行っていました。

そんな私自身の体験も交えて半導体業界の設備保全の転職について実状を記事にしてみたいと思います。

 

 

半導体業界の設備保全はハイリスク・ハイリターン

半導体業界の設備保全と言う仕事は転職しても、しなくても、ハイリスク・ハイリターンです。

なぜなら、半導体と言うビジネスそのものがハイリスク・ハイリターンであり、当然エンジニアの仕事もそうなります。

 

景気のいい時期はエンジニアとして遣り甲斐のある、面白い仕事が続きます。国内だけでなく海外にも出かけて思い切り仕事がやれます。

仕事の達成感も半端ないものがあるし、努力に見合う報酬を得ることも出来ます。

 

製造設備の安定稼働により売上に貢献していると言う喜びや誇り、また市場に製品を送り出していると言う満足感を味わうことが出来ます。

 

時には海外の工場で新規製造ライン立上げにも参画し、苦労の末に成功させて行う打ち上げは最高でした。

現地スタッフも交えて異国情緒いっぱい、高揚感は最高潮に達します。

本当にこの仕事をやっていて良かったと心から実感したものです。

 

打ち上げ

 

しかし、いったん景気が悪くなると生産量も縮小、半減近くまで減ってしまうこともありました。ラインが半分しか稼働しないのですから、設備保全の需要も激減です。

 

こうなると職場の異動から事業所の異動、ついには関連会社への異動まで発生します。

エンジニアのモチベーションも下がるし収入も減ります。いったいこの先どうなるのかと不安ばかりが募ります。

 

何だか大げさに書いているようですが、決してそうではりません。実際にこうした景気の波を何度か経験しました。

半導体ビジネスは稼げるときに稼ぎまくる。景気が落ちた時にはひたらすら耐える。

そんな20年間だったのです。

 

どんな業界でも景気の波はあります。しかし、半導体業界は特にその波が大きいのです。そして必ず波はやって来ます。

 

あなたが半導体業界で設備保全を仕事として選ぶなら、まさにハイリスク・ハイリターンの世界だと覚悟しておいた方がいいです。中途半端な努力では生き残れません。

 

常に自分の専門知識を増やし、スキルを磨き、社外でも通用するエンジニアになる必要があります。

単に設備の保全だけにとどまるのではなく、プロセス技術、生産技術、場合によっては設計まで首を突っ込み知識や情報を増やすことが必要です。

 

外で立派に通用するエンジニアなら、必ず社内でも重宝されます。万一の時はそれこそ転職も選択肢の1つです。

 

現在の半導体業界の転職市場は?

大手の転職サイトDodaのデータによると、半導体に限らず電気・機械系のエンジニアの転職求人倍率は5倍以上あって、完全な人手不足となっています。

 

半導体業界の転職市場も非常に活況で多くの求人が出ています。ただし、その多くはデバイス開発や回路設計、あるいはプロセスエンジニアなどの職種で占められています。

 

COMSイメージセンサやADAS(先進運転支援システム)対応の車載デバイス、NAND型フラッシュメモリなどが好調で、次世代のデバイス開発、量産化に向けてエンジニアの募集が盛んです。

 

むろん、これらの製品は国内でも製造されており、そうした工場では製造はむろん、設備保全や生産技術の求人も出ています。

 

保全マン

 

ただ、開発職ほどの件数はなく、この中からあなたの希望する勤務地、職種、年収や福利厚生などの希望に合う求人を見つけようとすると、けっこう難しいものがあります。

広くアンテナを張り巡らして、好条件の求人を見逃さず、チャンスを逃さないようする必要があります。

 

では、生産技術、設備保全の求人がどんな企業から多く出ているか紹介していきます。

 

半導体デバイスメーカーからの求人

まず、一番のねらい目としてお奨めしたいのは半導体メーカーからの求人です。自社工場で稼働する設備の保全要員や生産技術要員の募集です。

 

あるいは半導体工場全体のユーティリテイ保全を担当するエンジニアを募集しています。省エネ対策や環境対策なども業務範囲に含みます。

 

この種の求人の多くは大企業からの求人であり、予定年収や福利厚生にも好条件が多いです。その点でぜひお奨めです。

 

大企業からの求人の場合、予定年収は450万円~650万円ほどが目安となります。福利厚生もかなり好条件で、社員持ち株制度や企業年金も用意されています。

休日、休暇も充実しており、ワークライフバランスの点でも好条件です。

 

そして中には設備保全の管理職やマネージャークラスの求人もあり、予定年収は900万円から1000万円クラスまでまであります。

 

ちなみに大手半導体メーカーで最も求人が多いのは、ソニー㈱、ソニーLSIデザイン㈱、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング㈱のソニー系列3社です。

絶好調のCMOSイメージセンサ関連の開発、製造、保全に多くの求人が出ています。

年収や福利厚生も好条件の求人が多いのでぜひチェックして下さい。

 

スマホ
スマホのカメラにもCMOSイメージセンサーが。

 

ソニー系列の他にもキオクシア、ソシオネクスト、マイクロンメモリジャパン、ルネサスエレクトロニクスといった大手半導体メーカーからも求人が出ています。

 

一方、中小企業からの求人の場合、予定年収は300万円~500万円辺りが目安となります。福利厚生も大企業並みとはいきません。

 

また、大企業からの求人を調べてみると、ウェハープロセスである前工程を対象とした生産技術、設備保全の求人が多いようです。

それに対して中小企業からの求人では組立て、測定など後工程のエンジニア募集が中心です。

やはり前工程は工場も設備も投資金額が巨大になるので、中小企業は後工程が中心となります。

 

次に勤務地ですが、デバイスメーカーの場合、勤務地はその企業の関連工場であり、国内に複数個所あるのが普通です。あなたの希望の勤務地が叶うのか、しっかり事前確認が必要です。

 

そして大規模な半導体工場は地方にあります。従って設備保全や生産技術など、現場作業のエンジニア募集は地方にもそれなりの求人件数があります。

 

半導体デバイスの開発、設計エンジニアの求人が関東、関西に集中しているのとは対照的です。研究所や開発センターは地方にはあまりありません。

 

更に勤務地は国内工場の他に海外工場まで含む場合がほとんどで、海外赴任、長期の海外出張などは普通にあります。

従って応募の際に英会話能力を要求する求人が非常に多くなっています。

 

それから雇用形態についてですが、大手半導体メーカーからの求人の場合、ほとんどが正社員募集であり勤務も日勤がほとんどです。

中小企業の場合も正社員募集が多いのですが、交代勤務での募集も目立ちます。

 

半導体工場は24時間360日稼働が普通ですから、設備保全の仕事も24時間体制が必要です。正社員が日勤の場合、派遣社員や契約社員が交代勤務の対応をしています。

 

従って人材派遣会社でも設備保全要員の求人を行っています。これは後ほど詳しく説明します。

 

半導体製造装置メーカーからの求人

半導体の世界ではデバイスだけでなくそれを製造する設備も常に新機種が開発されています。新機能を備えた装置が製造ラインで安定稼働の状態になるまで、メーカーの技術支援は絶対に必要です。

 

従って半導体製造装置のメーカーが募集しているのは、自社の装置を客先へ導入し立上げ、メンテナンスを行うエンジニアです。

こうした仕事で客先を回るエンジニアをフィールドエンジニア、サービスエンジニアと呼びます。

 

さて、ひと口に半導体製造設備メーカーと言っても企業規模にかなり幅があります。東京エレクトロンのような世界的な大企業から、地場の中小企業まで求人が出ています。

 

ザクッと言えば、半導体の前工程の設備は大企業しか手が出せません。しかし、後工程の設備になると中小企業でも自社ブランド、もしくはOEMで製造しているケースがかなりあります。

まさに私が勤務していた会社もそうでした。

 

従って、予定年収や福利厚生は求人企業によってかなり条件に差があります。東京エレクトロンのような大企業だと予定年収は400万円~600万円、設備によってはそれ以上900万円クラスの求人も出ています。

 

装置自体が高額で付加価値の高いものであれば、それに関わるエンジニアも当然年収が高額になります。

 

例えば前工程の塗布現像装置、プラズマエッチング装置、ウェーハテスト装置などの立上げ、メンテナンスは高度に専門的な知識とスキルを必要とし、キャリアを積んだエンジニアが頼りです。

 

一方、中小の装置メーカーからの求人では350万円~550万円辺りが平均的な目安となっています。福利厚生も大企業並みは難しいです。

 

また、求人企業を見ると国内企業だけでなく、外資系の装置メーカーも多いのが分かります。

海外のメーカーが日本国内の市場で販売を行うのですからメンテナンスの出来るエンジニアを募集するのは当然です。

 

外資系企業の場合は予定年収は国内企業と同等か、やや高めと言った感じです。海外研修や出張が頻繁にあるのが特徴です。

何年も海外で赴任するのは嫌だけど研修や出張ならぜひ、と思うあなたにはお奨めの転職先です。

 

海外出張

 

ただし採用されるにはエンジニアとしての能力に加えて英語力、コミュニケーション能力が必要です。

もっとも、これは外資系企業の求人に限らず国内企業の求人でも同じです。例え企業規模が中小であっても半導体業界でエンジニアの仕事をするなら英会話は必須と思った方がいいです。

 

フィールドエンジニアの仕事はほぼ100%、正社員募集であり日勤となります。ただし、客先から呼び出しがあった場合は休日出勤や深夜残業などが発生します。

どこまで緊急対応するかは個別ですが、かなり無理を要求される仕事ではあります。

 

そうした辛い面もありますが、何しろ日本製の半導体設備は世界的にも高い評価を受けています。そんな高機能、高品質の設備を担当することはエンジニアとしてメリット大です。

自分のスキルを高めることも出来るし、設備エンジニアとしての遣り甲斐、面白味も感じることが出来るはずです。

 

採用にあたって、フィールドエンジニアの経験がなくても何らかの設備保全、メンテナンスの経験があれば有利です。

設計や生産技術などのキャリアでも採用される可能性は十分あります。

そのキャリアは半導体業界に限りません。異業種でも評価されます。むろん、半導体業界なら尚良しです。

 

また未経験者歓迎案件も多少はありますが、その場合でもフィールドエンジニアとしての資質、適性はチェックされます。

 

エンジニア派遣会社からの求人

半導体デバイスメーカー、製造設備メーカーへエンジニアを派遣する企業もまた、多くの求人を出しています。

 

派遣会社は半導体デバイスメーカーへは製造ラインの設備保全エンジニアを派遣し、製造設備メーカーへは導入、立上げ、メンテナンスのエンジニアを派遣しています。

 

冒頭でも述べたように半導体業界は非常に景気の動向が激しい業界です。従ってピーク時に合わせて正社員を雇用すると景気が悪くなった時に多くの余剰人員が発生します。

そのリスク対策として大手半導体メーカーは外部から派遣のエンジニアを採用しているのです。

 

エンジニア派遣会社は中堅どころの企業が中心です。予定年収としては能力に応じて350万円~500万円辺りが目安となります。

 

そしてたいていの場合、派遣企業は特定の半導体メーカーと緊密な関係にあり、その企業に保全要員としてエンジニアを派遣します。

正社員採用のハードルが高い大企業でも派遣社員の受け入れはかなり積極的に行っています。

 

従って勤務先は顧客の半導体工場であり、仕事の環境としてはかなりハイレベルです。大手の最新技術が学べる、スキルを身に着けることが出来ると言う大きなメリットがあります。

 

転職

 

ただし何度も繰り返しますが半導体業界は景気の変動が激しく、不景気になった時に真っ先に削られるのが派遣社員の人件費です。

常にそのリスクを抱えています。

 

このリスク対策としては専門知識、高度なスキルを身に着ける以外にありません。

半導体業界全体の景気が悪くなっても、設備保全の需要が無くなってしまう訳ではありません。少ない需要に生き残れるのは優秀なエンジニアのみです。

そんなレベルの高いエンジニアは派遣社員であっても大手メーカーの正社員並みの収入が可能です。

 

半導体業界で設備保全の求人が多い転職サイト6選

半導体業界の設備保全の求人が探せる大手・人気の転職サイトを6社紹介します。

どの転職サイトも利用は完全無料で利用期間も自由です。

 

転職のプロであるエージェントやアドバイザーがあなたのキャリア、得意分野に合う求人を探してくれます。

 

各社とも独自案件があるので、ぜひ複数の転職サイトをご利用下さい。

転職はタイミングが大事です。好条件の求人には当然応募者が殺到し、すぐに募集枠は埋まります。

いかにライバルより早く求人情報を入手できるか、そこに転職成功がかかっています。

 

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