私が20年間に200人以上の設備保全面接を行った中には中高年の応募者もいました。しかし、残念ながら実際に採用した人はほんのわずかでした。

なぜ中高年の応募者をあまり採用しなかったのか?

今回は中高年が設備保全求人に応募する時に考えておくべきことを記事にしてみたいと思います。

 

求人に年齢制限なしは建前だ!

あなたもご存知かも知れませんが、日本には雇用対策法と言う法律があり、特別な事情がない限り募集条件に年齢制限を付けることは許されません。

従って、あなたが色んな設備保全の求人を見ても、年齢制限は記載されていないはずです。加えて性別も採用条件には出来ないことになっています。男性でも女性でも同じように扱わなくてはなりません。

 

しかし、これはもう言うまでもなく表向き、建前にしか過ぎません。年齢が理由で書類選考で振るいにかけられ、面接までも行けないケースはごく普通に起こっています。

中高年の再就職、転職は非常に厳しいのです。

それはなぜでしょうか?

 

苦しい転職

 

言うまでもありませんね。同じ能力、技能なら若い人の方が使いやすいし、給料も安く済むからです。将来性だって若い人の方が有望です。どう考えてもあえて中高年を採用するメリットはありません。

私自身、そう考えて選考に当たっていました。

 

しかし、それはあくまでも若い人と同じ能力しかない中高年の場合です。仮に40代、50代であっても、非常に専門的な知識や経験があり、若い人にはない価値を持っていれば全く事情は違ってきます。

結局、中高年が再就職、転職しようと思えば企業側に採用するメリット、価値を認めてもらわなければなりません。

 

「若い人には負けません。一生懸命頑張ります!」

なんて精神論を述べても全く無駄です。かといって健康面を訴えるのもさほど効果はありません。健康なのは当たり前、健康だから採用してくれる訳ではありません。

 

こんな中高年の応募者を採用しました

私が過去に採用した中高年の設備保全要員は、以下の2通りのケース限定です。

1.豊富な経験から正確で早い状況判断が出来る。加えてリーダーシップがあり、グループをまとめたり人を使うことに長けている。こういう人材を保全現場のリーダーや管理職として採用する。

 

2.専門知識、専門資格を持ち、かつその保全業務に圧倒的に詳しい。若い、経験の浅い保全要員では出来ないようなレベルの高い保全が可能である。こういう人材を専門職として採用する。

この2つのケースです。

 

グッド

 

1番目のケースは通期で求人の需要がある訳ではありません。組織拡張に伴うとか、急な欠員でリーダーがいない、管理職が足りないと言う場合です。

2番目のケースは比較的通期の需要です。いつでもそんな人材がいれば採用検討します。

 

以上の2つのケースはあくまでも私が採用選考にあたって重要視した点です。それぞれの企業においてはそれぞれの事情があることでしょう。私とは違った観点から選考基準を設けているケースもあると思います。

しかし、どんな選考基準であろうと中高年が厳しい立場であることは変わらないでしょう。やはり年齢のハンデを補うメリットは必要です。

 

歳を取ると言うことと、キャリアを積むと言うことは別物です。単に年齢だけはどんどん取っていくけどスキルアップもなければ考え方も変わらない、そんな人はいくらでもいます。

そんな人がいざ会社を辞めて再就職だ、転職だと言ってもそれは難しいです。残念ですがそこからいくらジタバタしても手遅れです。

 

中高年が転職を考える時、大事なこととは?

さて、中高年が設備保全の転職をする時に考えるべきこと、それは今説明したように、

『自分自身に年齢以上にメリットを納得させる価値があるか。それはどんな価値か。』

これです。

 

いや、特別自分にはそんな価値はない・・・あなたはそう思うかも知れませんね。でも、案外自分の価値は自分では分かりにくいものです。気づかないこともあります。

自分では当たり前と思っていることが、案外他人からは高く評価されることもあります。あなたの友人、先輩など身近な人に聞いてみるのもアリでしょう。

 

あるいは、もっと距離を置いて客観的な意見を求めるなら、それこそ転職支援サービスのエージェントサービスやコンサルタントサービスを利用すのもアリです。

あなたが自分で気付かない価値を教えてくれるかも知れません。

 

しかし、もしも最悪何もこれと言ってアピール出来るメリット、価値がなかったらどうしましょう?もう苦しい闘いを覚悟するしかありません。

正社員をあきらめ派遣社員に応募する、給与面で苦しい条件をのむ、きつい仕事も我慢する、そんな闘いになります。

 

いばらの道

 

しかし、全て諦めてしまう必要はありません。そんな苦しい闘いをしながらでも、あなたの頑張りひとつで新しい知識を吸収したり、資格に挑戦したり、技能をマスターすることは可能です。

 

かつての私の同僚は50代半ばで技術部門から総務に異動となりました。彼は総務の仕事をしながら毎朝4時起きで勉強し、見事一発で社会保険労務士の試験に合格し会社を辞めて独立しました。何かを始めるのに遅すぎると言うことはありません。覚悟ひとつでどうにかなります。

 

若い人は今から準備しておく

最後に、まだ若いあなたに1つだけ言っておきます。いざ今の会社を辞めた時に役立つ資格や専門知識、そうしたものは普通に会社の仕事だけをこなしていると身に着かないものです。

それなりに仕事はこなせる、と言ったレベルではまず役に立ちません。いつ会社を辞めても次の仕事に困らない、そんな実力を意識しながら日々の仕事に臨む必要があります。

 

ステップアップ

 

あるいは会社以外の時間の使い方を意識する必要があります。つまり自宅で勉強するとか休日を使って資格を取るとか、そうした取り組みが必要です。

言うのは簡単で、実行することは極めて困難ですけどね。

 

しかし、中高年の再就職、転職は設備保全に限らずどんな仕事でも大変難しいです。あなたもいざと言う時のために、今から少しでも時間を使って備えてみてはどうでしょう。