あなたが設備保全、メンテナンスの面接を受ける時、使わない方がいい言葉、NGワードは何だか知っていますか?
これは特に設備保全やメンテナンスに限った話ではありません。恐らくどんな仕事の面接でも同様だと思います。
しかし、設備保全のようなエンジニア職では特に注意した方がいい言葉かも知れません。
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面接で使ってはいけないNGワードとは?
就活本や転職マニュアルなどを見ると、必ず面接のノウハウが書かれています。その中には使ってはいけないNGワードが出ています。
その多くは一般常識で考えれば分かるレベルのものがほとんどです。
例えば、
- タメ口
- ネガティブなワード
- かってな略語
- 不必要な自慢話
- 耳障りな繰り返しの口癖
こうした類ですね。
普段から目上の人や初対面の人にもタメ口を使う癖がある人は要注意です。マイナス思考が強く、ついついネガティブな言葉を使ってしまう人も同様です。
しかし、言葉そのものはポジティブで前向きなイメージであっても、面接では使わない方がいいNGワードもあります。
「指向性・人物像」で使ってはいけないNGワード
設備保全やメンテナンスの求人を見ていると、多くの求人で応募条件、対象になる人、と言う欄にこんな条件が出てきます。
「以下のような志向性の方、歓迎します!」
「求める人物像」
どうですか?あなたもこんな条件を見た記憶があるでしょう。
これは企業側が応募者に対して資格やキャリアとは別に、「こんなふうに働いて欲しい」「こんな社員でいて欲しい」と言う希望を表現したものです。
具体的な例を挙げると、こんな条件です。
●仲間と協力して、いい仕事がしたい方
●ものづくりの現場に思いを持って取り組める方
●自分の考えをしっかり主張できる方
●責任感を持って行動できる方
●社内外の関係者と粘り強く交渉ができる方
●培った経験を活かして、さらなるスキルアップ・キャリアアップを目指したい方
●機械いじりが好きな方
●顧客志向の非常に強い方
●自主的に行動できる方
●何事も自責として捉えることができる方
●成長意欲の高い方
●やる気のある方
こんな指向性、人物像が企業の求めるものです。上記はいずれも実際にDODAに掲載された設備保全の求人から引用したものです。
これらの要求をまとめてみると、次のようなキーワードが浮かんできます。
- 積極性
- 自主性
- 主体性
- 責任感
- コミュニケーション力
- リーダーシップ
- 根気・忍耐力
- 努力
- やる気
- 向上心
ズバリ、こうした言葉はあなたの面接では使わない方がいいです。履歴書にも書かない方がいいです。
「企業が求めているのに書かない、言わない?」
あなたは不審に思うかも知れませんね。どれもポジティブだし前向きな言葉です。冒頭で紹介したNGワードではありません。
では、なぜ使わない方がいいのか、その理由を説明しましょう。
なぜ使わない方がいいのか?その理由とは・・・
例えば面接官が、
「あなたの長所、短所を説明して下さい。」
「あなたの仕事に対するモットーは何ですか?」
「あなたは今まで何を重視して仕事をして来ましたか?」
こんな質問をあなたにしたとします。
あなたはどう答えますか?
「何より周囲との協調性を重要視してきました。」
「コミュニケーションが得意です。」
「常に向上心を持って仕事に取り組んできました。」
「難しい仕事でも積極的に取り組んできました。」
こんな答えを思いついたらNGです。内容はポジティブ、前向きであってもNGです。
なぜだかお分かりですか?
自分で「協調性があります」とか「向上心があります」とか言われても、聞いてる方にはそれがどんなものか分かりません。責任感や主体性も同様です。
普通に社会の中で生きていれば誰にだって協調性や責任感、向上心はあります。ただそれが何に対して、どの程度持っているかは人それぞれです。
そして面接官が聞きたい、知りたいのはその「人それぞれ」の部分なのです。
すなわち、あなただけの協調性、あなた固有の向上心を知りたいのです。企業はそれを面接や履歴書から探っています。
一番分かりやすい例を挙げれば、
「私はやる気だけは誰にも負けません。採用されたら一所懸命働きます。」
こんな答えは最悪です。
これでは何も売り込むべきスキルもキャリアもありませんと言ってるようなものです。即、不採用決定です。
どんな分野でどんなスキルが人には負けないのか、その具体的説明やレベルを示すキャリアを面接官は知りたいのです。あなたはそれを面接で話すことが必要なのです。
つまり、先ほど紹介した企業が求める志向性、人物像に対して、あなたがどう満たしているのか具体的に話す必要があります。
「〇〇性、〇〇感が強いです。」
「〇〇力に優れています。」
といった抽象的な表現は聞いてる方にするとピンボケもいいとこで、採用したいと思わせることは出来ません。
もしもこうしたNGワードを使うとしたら、こんな使い方です。
まず、
「コミュニケーション力には自信があります。」
と言った上で、
「実は元々コミュニケーションが苦手で、職場内や顧客対応で意思疎通に困ることが度々ありました。それでコミュニケーション能力向上のセミナーに通い、何とか克服しようと思いました。」
「この2年間、セミナーで教わったことを職場で繰り返し実践するうちに段々とコミュニケーションが苦にならないようになりました。」
「今では保全グループ10人のリーダーを務めていますし、設備導入については外部業者や顧客対応の窓口を任されるまでになりました。」
こんなふうに具体的に自分の経験、キャリアの中でコミュニケーション力をアピールします。単に「コミュニケーション力には自信があります。」と言うのはNGです。
以前、『設備保全の面接で一番大事なことは?』と言う記事を掲載しました。今回の内容はこの記事の繰り返しです。
「この人なら生産ラインの設備を任せても大丈夫だ。」
と思ってもらうことが一番大事なことです。
そして企業が責任感の強い人に設備を任せたいと思うのは当然です。でも、責任感の強い人とは、自分で「私は責任感が強いです。」とアピールする人ではありません。
設備が突然のトラブルで稼働停止になった時、自分の都合を優先せず残業や休日出勤でも対応してくれる人です。
何時間かかってもあきらめず、最後まで復旧作業を続けてくれる人です。自分一人の力で無理と分かればすぐに応援を依頼できる人です。
そうした仕事に対するスタンス、そして実績や経験を面接や履歴書を通して伝えることが大事です。
まとめ
設備保全やメンテナンスの仕事はエンジニア職です。エンジニアとしてのスキル、知識、キャリアがものを言います。
キャリアの中には責任感やリーダーシップ、コミュニケーション能力も含まれるでしょう。また向上心がなければスキルアップ出来ないし、知識も増えません。
今回ご紹介したように、言葉そのものがポジティブで前向きなものであっても、使い方が抽象的なままだと全く効果なしであり、却ってマイナスイメージを与え兼ねません。
つまり、自分のキャリアやスキルを把握出来ていないと思われてしまいます。
面接での話し方や身振り態度、印象が重要視される面接ならともかく、エンジニアはそうではありません。
いかに流暢に話せても、スマートな身のこなしであっても、エンジニアとしてのキャリアや能力を具体的に伝えることが出来なければ採用されません。
一言で言えば、抽象的、定性的な言葉や表現はみなNGと言うことです。もしも使うなら、すぐその後に具体的な説明を加えなければなりません。
あなたの面接が成功するよう、願っています。
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