半導体製品製造技能士は半導体業界で設備保全の転職を目指すあなたにとって、取得しておいて絶対損のない資格です。

半導体製品を製造する知識を身に着けている事は、半導体工場における設備保全業務の様々な場面で正確な判断、正しい処置を行う基礎となります。

 

私自身も半導体後工程の工場で設備保全の管理責任者を担当したとき、二級半導体製品製造技能士(集積回路組立て作業)の資格を取りました。

 

半導体製品製造2級技能士バッジ
二級半導体製品製造技能士 合格で頂いたバッジです

 

半導体製品製造技能士検定の試験勉強をする中で半導体製造の基礎知識を学び、工場内の工程を幅広く勉強することが出来ました。これは後の業務に大変役立ちました。

 

資格の性格からして製造部門が主な取得対象部署ですが、設備保全や品質管理、営業などの職場でも非常に役に立ちます。取得は必須と言ってもいいくらいです。

 

では、半導体製品製造技能士の資格が設備保全の転職に役立つか、また半導体製品製造技能士検定はどんなものか、概要をあなたにお伝えしたいと思います。

 

半導体製品製造技能士は設備保全に有利か?

半導体製品製造技能士の資格を取得することは大変役に立つと説明したばかりですが、ではこの資格が設備保全の転職に役に立つかと言えば、実は微妙なところがあります。

むろん、資格を持っていないより持っていた方がいいのは間違いないのですが、では資格を持っているから採用されるかと言えばそうではありません。

 

転職市場における半導体製品製造技能士の需要は?

残念ながら転職市場において、半導体製品製造技能士と言う資格はそれほど需要の高い資格ではありません。

それがよく分かるデータをご覧頂きましょう。大手転職サイト6社で「半導体製品製造技能士」をキーワードに求人検索した結果です。

 

■転職サイト別 「半導体製品製造技能士」求人件数

転職サイト 求人件数
求人ボックス 219 件
キャリコネ 0 件
doda 0 件
マイナビエージェント 0 件

*2020年10月、各サイトの検索機能で調査。

 

求人ボックスのみが求人が見つかり、他のサイトはことごとく求人は見つかりませんでした。

ただし、求人ボックスの219件はちょっと信用出来ません。検索結果を1件ずつ調べてみると、実際には半導体製品製造技能士が応募条件に指定されていない求人がかなり見つかりました。

求人ボックスの検索精度がイマイチなのかも知れません。「半導体〇〇〇」に反応しているようです。

 

いずれにしても半導体製品製造技能士の資格を応募条件に指定した求人はほとんどないことが分かります。つまり転職市場で需要がないのです。

 

実際、この資格は半導体業界のエンジニア、オペレーターが自らのスキルアップの為に取得する資格であって、転職の為に取得を目指す資格とは違います。

 

また、半導体製品製造技能士は名称独占資格であって、同じ国家資格でも必置資格や業務独占資格のような法的規制の背景がありません。

早い話、半導体工場に資格保有者が一人もいなくても業務上は困りません。相応のスキルや知識を持った人材がいればそれで十分なのです。これも転職市場で半導体製品製造技能士の需要が低い要因の1つです。

 

では、半導体製品製造技能士は転職には全く役に立たないかと言えばそんなことはありません。資格が採用の決め手になることはないでしょうが、プラス材料にはなります。

半導体製造に関する基礎知識、スキルを所有していることの証になるからです。

 

半導体製品製造技能士を転職活動に活かすには?

一番望ましいのは、採用条件に半導体製品製造技能士の資格が指定されている求人を見つけることです。しかし、先ほども説明したようにそんな求人はほとんど見つかりません。

従って、単に半導体製品製造技能士の資格をアピールしても転職に効果的とは言えません。それより半導体工場でどんなキャリア、実績を残してきたかをアピールすることが重要です。

 

そのアピール内容の裏付け、信ぴょう性の担保として資格をアピールすることは有効です。

なぜなら、本人が主張するだけのキャリアや実績はあくまで主観に過ぎません。しかし、国家資格取得は客観的な信用材料であり、知識とスキルを持ったエンジニアであることの証となります。

キャリア採用の多くは即戦力の補充が目的なので、キャリアや実績を信用してもらうことは非常に重要です。

 

あなたが半導体製品製造技能士の資格を取得することでいかにスキルアップ出来たか、その後の業務にどのように資格を活かしてきたか、それをアピールして下さい。あなたの実力を分かってもらう、信用してもらう材料になるはずです。

 

私自身も半導体工場の設備保全責任者として、多くのキャリア採用を担当しました。そしてこの資格には注目していました。採用する立場から見ればやはりプラス材料にはなります。

 

LSI
半導体工場で働くなら取得して損のない資格です

 

半導体製品製造技能士の年収は?

半導体製品製造技能士の資格を応募条件に指定した求人がほとんどないため、年収のデータもありません。数少ない事例を見ると、マシンオペレーターや製造要員としての求人で、予定年収は350万円~450万円ほどです。

しかし、これは半導体製品製造技能士の年収と言うよりもマシンオペレーター、製造要員としての予定年収です。

 

特にこの資格を持っているから高額年収の転職が可能になることはありません。先程から何度も繰り返し説明しているように、資格そのものには余り需要がありません。

資格の有無よりあくまであなたのキャリア、実績、今後への期待値などで年収は決まります。

 

半導体製品製造技能士検定の概要

項目 説明(概要)
資格名 二級半導体製品製造技能士
どんな資格か ・ICチップなどの半導体製品を製作する技能を認定する国家資格です。

・等級としては二級、一級、特級があります。

・二級と一級では、集積回路チップ製造作業と集積回路組立て作業の2つの作業があり、どちらか選択して受験します。

・半導体製品や製造工程の、あるべき正常な状態を知っている事、それをベースに品質異常や工程異常を見つけ解決できる事、その為に必要な知識や技能を有していることを証明する資格です。

受験資格 ・実務経験が2年以上必要です。
受験方法 ・上期
願書受付 4月上旬~中旬
学科試験:7月下旬~9月上旬
実技試験:6月上旬~9月中旬

・下期
願書受付 10月上旬~中旬
学科試験:1月下旬~2月上旬
実技試験:12月上旬~2月下旬

・試験場 全国の指定公開会場

・受験料
学科試験 3,100円 実技試験 16,500円

・試験は学科と実技があります。
合格率
(2017年)
・55.8%(集積回路チップ製造作業 二級)
・65.7%(集積回路組立て作業 二級)
設備保全の転職
有利か
半導体業界での転職にはプラスです。ただし、名称独占資格なので、資格そのものへの需要はさほどありません。キャリア、実績の裏付けとしての利用価値ありです。

 

 

半導体製品製造技能士の追加情報

◇受験資格

●二級半導体製品製造技能士

実務経験のみで受験する場合は2年間必要です。しかし、大学・短大・高専などを卒業していると実務経験が2年なくても受験資格があります。

詳しくはこちらをご覧ください。

『技能検定の受検に必要な実務経験年数一覧』

 

●一級半導体製品製造技能士

7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験が必要です。しかし、二級同様、学歴によって実務経験が短縮されます。上記一覧からご確認下さい。

 

●特級半導体製品製造技能士

一級合格後5年以上の実務経験が必要です。特級は学歴による受験資格の年数短縮はありません。

 

◇検定にはどんな問題が出る?

半導体製品製造技能士の検定問題について、試験科目やその範囲の細目は厚生労働省のホームページに載っています。

『試験科目及びその範囲並びにその細目』

ネット上で試験問題を探してみたのですが、どこにも載っていませんでした。お金を出して試験問題集を買うしかないようです。

例えばこんな問題集です。

半導体製品製造検定問題集

中央職業能力開発協会 (監修) ¥1,728

直近の3年間において出題された学科試験問題と直近1年の実技試験並びにペーパーテストを網羅しています。

私が受けた試験は二級半導体製品製造、「集積回路組立て作業」でした。学科試験は50題で制限時間は1時間40分、実技試験は1時間30分で判断等の試験があります。

 

実技と言っても、現場で何かを製作するわけではありません。製品の写真を見て不良の要因を判断したり、材料の良否を判断するような問題です。

 

◇半導体製品製造技能士検定の難易度

以下のデータは平成29年度です。平成30年度については全体として受検者数は1,445人で合格者数は489人、合格率は33.8%でした。

『平成30年度「技能検定」実施状況』

各級ごとの詳細データが公開され次第、ここでまた情報を更新します。

 

平成29年度の半導体製品製造技能士検定の作業別の合格率です。なお、特級には作業別区分はありません。

■特級

・受検者数 234人

・合格者数 41人

・合格率 17.5%

 

■一級

●集積回路チップ製造作業

・受検者数 765人

・合格者数 209人

・合格率 27.3%

 

●集積回路組立て作業

・受検者数 166人

・合格者数 76人

・合格率 45.8%

 

■二級

●集積回路チップ製造作業

・受検者数 292人

・合格者数 163人

・合格率 55.8%

 

●集積回路組立て作業

・受検者数 99人

・合格者数 65人

・合格率 65.7%

 

私は集積回路組立て作業の二級を受験しました。試験準備は3か月くらい前から始めました。会社でも週に1回、定期的に勉強会を開催してくれて、大いに助かりました。講師は一級の資格を持つベテランエンジニアでした。

 

その勉強会で基礎を学び、後は自宅で過去の問題集を繰り返し解きました。過去と全く同じ問題が出なくても傾向はかなり似た問題が出題されます。

 

従って、過去の問題集を繰り返し解きながら周辺知識を再確認するようにしました。私の場合はトータル100時間は試験勉強したと思います。

試験を受けた後、自分では合格を確信しました。そのくらい自信を持って回答出来ました。

なお、検定試験の合格ラインは、100点満点で学科試験が65点以上、実技試験が60点以上とされています。

 

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