自主保全士の資格は転職の役に立ちますか?

こんな質問をネット上でよく見かけます。あるいは、この資格を取得すると社内で評価されますか、といった質問も見かけます。

実際のところはどうでしょう?

ここでは自主保全士の転職市場における需要、転職に活かす方法、及び資格の概要や受検方法などを紹介していきます。

 

自主保全士とは?

自主保全士と言う資格は、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が認定する民間資格であり、2001年に創設された資格です。

製造部門のオペレーターが生産設備の日常点検レベルを自ら行うための知識、技術を身に着ける、スキルアップの為の資格です。

自主保全士の資格を持ってることは、機械に強いオペレーターであることの証となります。

 

自主保全士の認定者数は、2001年から2019年までの累計で178,037名です。

内訳として検定試験の認定者が118,509名、通信教育の認定者が59,528名となっています。

『データで見る自主保全士』より(公益社団法人日本プラントメンテナンス協会)

 

自主保全士募集の求人はほとんどない!

いきなりですが、実は「自主保全士」と言うキーワードで求人検索しても、ほとんど見つかりません。

下の表1をご覧下さい。転職サイトの大手10社を使って調査した結果です。

 

■自主保全士の求人件数(表1)

転職サイト 件数
キャリコネ 5
doda 4
メイテックネクスト
2
マイナビエージェント 0
リクルートエージェント 0
パソナキャリア 0
リクナビNEXT
0
工場ワークス 0
工場求人ナビ 0
はたらこねっと 0

注)2020年10月調査。各転職サイトのキーワード検索使用。検索範囲は全国です。

 

表1をご覧頂いてお分かりのように、自主保全士のキーワードで求人情報を探しても、ほとんど見つかりません。キャリコネとdodaは重複している案件もあって、実際にはこれより少ないです。

 

同様にハローワークでも自主保全士をキーワード検索してみましたが、48都道府県、どこもゼロでした。

自主保全士と言う資格を指定する求人は全くありませんでした。

この実態が転職市場における自主保全士と言う資格の評価です。同じ機械の保全資格である機械保全技能士とはえらい違いです。

 

 

自主保全士の求人件数が少ない理由とは?

今も説明した通り、自主保全士の資格で求人を探してもほぼ見つかりません。

その理由は主に次の2つです。

 

1.そもそも資格の認知度が低い。

保全要員の求人を出す企業にとって認知度や需要の高い資格は機械保全技能士や電気主任技術者などの国家資格であり、民間資格である自主保全士は認知度が低い。

 

2.資格そのものには需要がない。

早い話、自主保全士の資格保有者がいないからと言って企業が困ることはありません。資格を持っていなくても相応の知識、技術を持ったオペレーターがいれば問題なしです。

 

業務独占資格の電気工事士や、必置資格の電気主任技術者とは根本的に位置づけが違います。資格そのものには需要がありません。

この点については国家資格である機械保全技能士も同様なのですが、認知度の差があって自主保全士は求人が少ないのです。

 

そもそも自主保全士はあくまで製造部門のオペレーターが自らのスキルアップを目的に取得する資格であり、この資格を保有しているからといって直ちに転職が有利になることはありません。

 

実は自主保全士は求められる人材なのです!

何だか自主保全士の資格に対して否定的な、ネガティブなことばかり書いてきました。しかし、自主保全士が全く転職の役に立たない訳ではありません。

 

何度も説明しているように、自主保全士とは製造部門のオペレーターで自分の担当する設備を自ら日常点検レベルで保守が可能な知識、技能を持った人です。

 

すなわち設備保全の基礎知識、スキルを持っている人です。また資格を取得するくらいですから仕事に対する意欲、向上心も持っている人です。

 

マシンオペレーターにそんな自主保全が出来る人材はそうそういません。貴重な人材なのです。資格に需要はなくても、人材には需要があります。

従って、自主保全士の価値を評価してくれる求人を見つけることが重要です。

 

ではここで、自主保全士募集の実例を見て頂きましょう。自主保全士の資格を応募条件に指定した求人は極めて少なく、紹介出来るのは次の4件のみです。

 

■自主保全士の求人例

●doda(デューダ)掲載

・オペレーターとして、医薬品製造および設備保全に関する業務

・応募条件 製造オペレーションまたは設備点検、整備経験 自主保全士1級、自主保全士2級

・年収 400万円〜480万円(残業手当:有)

・雇用形態 正社員

 

●doda(デューダ)掲載

・工場の設備改善・保全・TPM等の種々改善活動

・応募条件 電気、機械のエンジニアリング経験 自主保全士、機械保全技能士

・年収 400万円〜900万円(残業手当:有)

・雇用形態 正社員

 

●doda(デューダ)掲載

・工場の設備改善・歩留り・稼働率の改善

・応募条件 自主保全士資格2級以上

・年収 420万円~660万円

・雇用形態 正社員

 

●キャリコネ掲載

・自動車用の鉛蓄電池製造の製造技術業務

・応募条件 生産技術の経験(新規立上げ、調整、改善) 機械技能士2級、自主保全士2級レベルの知識

・年収 28歳/510万円 30歳/540万円 35歳/600万円 40歳/660万円

・雇用形態 正社員

 

 

4件のうち1件がマシンオペレーター、後の3件は製造技術、設備技術の求人です。たった4件の実例ですが、実は自主保全士の資格とキャリアをどう活かすか、その答えを示しています。

答えは2つあります。

 

①製造部門で自主保全の出来るマシンオペレーターとして資格を活かす。

②自主保全ながら保全経験ありと言うキャリアを活かし、設備保全の専門職へキャリアアップする。

 

今回の求人調査に限らず、過去3年間の調査においても自主保全士の求人はこの2種類のどちらかです。求人件数は少ないながら、理に叶った求人と言えます。

 

保全マン

 

自主保全のスキルを持ったマシンオペレーター

まず、自主保全のスキルを持ったマシンオペレーターとして転職する方法から説明します。

私が勤務していた半導体工場では、ほとんどの工程でマシンオペレーターが日常点検を行っていました。設備によっては簡単なチョコ停の解除や、アラームの解除も教育していました。

 

同じような工場、生産ラインは業種を問わず、いくらでもあります。特別珍しいことではありません。

実際、自動車工場や半導体工場、家電工場や精密機器工場でもマシンオぺレーターが自主保全を行っています。

 

設備保全の専門部隊に依頼しなくても、製造部門のオペレーターが対応出来ることで色んなメリットが生まれます。

例えば設備の停止時間短縮、潜在的欠陥の早期発見、保全専門部門のレベルアップ、オペレーターのモチベーションアップなどです。

 

いわゆる多能工化の一環としてオペレーターにも保全業務の一部を可能にする取り組みは多くの工場でやっていることです。

工場の生産ラインではオペレーターと保全を兼任出来る人材を求めています。

 

君だ!

 

つまり、自主保全士、と言う資格で求人を出している企業は少ないのですが、実は自主保全士と言う人材を求める企業は多数あるのです。

 

従って、あなたが自主保全士の資格やキャリアを活かす転職を探すなら、「自主保全士」で求人検索するのではなく、「マシンオペレーター」と言う職種で検索すべきなのです。

それも、

「設備保全、メンテナンス業務を含むマシンオペレーター」

の求人を探して下さい。

 

単に設備のオペレーションしか出来ない人材より、自主保全も可能な人材の方が採用される可能性は高いし、優遇される可能性も高いのは当然です。

収入面や福利厚生など、条件面で有利になることが期待出来ます。

 

また、マシンオペレーターの求人はどこの転職サイトでも派遣社員募集が圧倒的に多いです。しかし、自主保全も可能となれば、同じ派遣スタイルでも無期契約社員として採用されることも可能です。

 

一部の求人では無期契約社員を「正社員」と呼んで募集しているようです。確かに半年や1年ごとの契約更新がなく、雇用は安定します。

ただ、賞与や退職金などの点で、一般的な「正社員」と同じと言えない面もあります。

 

では、ここまで説明してきた自主保全の出来るマシンオペレーターとして求人を探すのに最適な転職サイトとして、工場ワークス、工場求人ナビの2社を紹介します。

 

*工場ワークス

工場ワークス2

●製造業に特化した転職サイト。全国各地の工場求人情報が27,000件以上、毎日更新。

軽作業で高収入案件が多いのが特徴です。しかし、中には海外出張まである専門的なスキルを必要とする求人もあります。

●未経験者、資格なしでも正社員になれる求人が多数あります。まずは設備保全のキャリアを積みたいあなたに最適です。

無料登録 工場ワークスで求人を探す

 

 

*工場求人ナビ

工場求人ナビ

日総工産で請け負っている、日本全国の工場系の求人を紹介する転職サイトです。

●勤務地、業種、寮、収入など、あなたの希望にピッタリの仕事・生活環境を探すことが出来ます。

半導体・自動車・精密機械などの工場保全の求人が多くあります。難易度も幅が広く、未経験者から更にスキルを身に着けたい経験者まで利用可能です。

無料登録 工場求人ナビで求人を探す

 

なお、これらの転職サイトではマシンオペレーターの他にも検査や組立の求人も多数掲載されています。

 

そしてこうした職種において検査設備、検査冶具、組立設備、組立冶具の点検や修理を作業者に求める求人が多くあります。

 

ここでも自主保全士の資格とキャリアを持っている人材は優遇されることが期待出来ます。マシンオペレーターと合わせて検索してみることをお奨めします。

 

設備保全の専門職へキャリアアップをめざす

次に、自主保全士としてのキャリアを活かして設備保全の専門職へキャリアアップする方法について説明します。

 

パソナキャリアやマイナビエージェントなど、大手の転職サイトで設備保全の求人を見るとほぼ8割以上の求人で「応募には保全経験必要」とあります。

つまり、未経験者ではなく実務経験者を求めているのです。

 

その一方で、専門資格を応募の必須条件にする求人はそんなに多くありません。

電気関係の保全求人で電験3種や電気工事士などの資格を必要とするケースはありますが、製造ラインの設備保全だと資格を要求されるケースは少ないです。

設備保全の求人は資格より経験が重要視される傾向が強いのです。

 

そこであなたが自主保全士の資格を持ち、定期点検などの実務経験あれば設備保全の専門職へ応募可能です。

むろん、応募は可能でも仕事内容によっては自主保全士のキャリアでは不十分として採用されないこともあるでしょう。

 

しかし、求人の中には自主保全士のキャリアでも十分務まる保全業務も多数あります。そうした求人に応募すれば採用の道が拓けます。

 

私が勤務していた半導体工場でも、1台がン億円もするような設備だと、その保全は専門スタッフしか手が出せませんでした。自主保全士を教育するくらいでは到底手が届きません。

 

その一方でそれほど高度な専門知識やスキルがなくても保全が可能な設備もありました。設備保全の適性のある人材なら、数週間程度の教育、トレーニングによって十分保全が務まるのです。

この、「設備保全の適性のある人材」には自主保全士も当然含まれます。

 

書類選考や面接だけで設備保全の適性を見極めることは難しいものです。そこに「自主保全士」と言う資格があって、その資格を使った仕事の経験があれば、これは立派に採用に向けての客観的判断材料になります。

 

このように、求人を出す企業が求めているのは「自主保全士」と言う資格ではなく、保全業務の基礎知識や技能を身に着けた人材です。保全の経験を持つ人材です。

 

具体的な求人としては、

「保全業務の経験のある方、または未経験でも適性のある方」

といった求人になります。

 

では、こうした設備保全の専門職求人が掲載された転職サイトを5社紹介します。これら5つの転職サイトでは転職エージェントの無料サポートを受けることが出来ます。

 

あなたのキャリア、得意な分野を伝えて希望の転職先を見つけてもらいましょう。業界情報、企業情報に精通した転職のプロがあなたに最適の転職先を提案してくれます。

 

また、転職サイト利用に際しては3社以上の併用をお奨めします。それぞれの転職サイトで独占求人が多いので、1社や2社だけの情報では好条件を見逃す危険性があります。

 

転職を成功させるには、いかに好条件の求人を早く、多く見つけるかにかかっています。当然ですが、好条件の求人には応募者が殺到します。

 

*マイナビエージェント

マイナビエージェント

●設備保全の求人を関東エリアで探すあなたにお奨めの転職サイトです。

●特に東京、神奈川、千葉、埼玉のあなたに絶対のお奨めサイトです。好条件の求人が多く、サポートも手厚いです。

●厚生労働省から「職業紹介優良事業者」に認定された、初めてでも安心して使える転職会社です。

楽天リサーチでも「20代に信頼されている転職エージェントNo1」に選ばれています。

無料で登録 マイナビエージェントで求人を探す

 

 

*メイテックネクスト

メイテックネクスト

●元々製造系エンジニアに特化した転職サイトです。設備保全の求人を探すのなら絶対のお奨め転職会社です。関東・関西・東海に求人の80%が集中しています。

モノづくり系エンジニアの転職支援実績ではNo1であり、技術に精通した専門のコンサルタントがあなたの転職を無料でサポートしてくれます。

●ただし、関東、関西、東海以外のエリアの求人を探すには不向きな転職サイトです。

無料で登録 メイテックネクストで求人を探す

 

 

*パソナキャリア

パソナキャリア

●設備保全の求人を探すのにお奨めの転職サイトです。好条件の求人が多くあります。

●オリコン顧客満足度調査の「転職エージェント部門」で 第1位、「ハイクラス、ミドルクラス転職部門」で第2位を獲得しています。転職後の収入アップ率は67.1%です。

無料で登録 パソナキャリアで求人を探す

 

 

*リクルートエージェント

リクルートエージェント

●設備保全の求人件数多数です。他の転職会社を圧倒する件数があります。

●しかも全国的に求人を網羅しているため、関東や関西以外のエリアでも探すことが可能です。

●転職支援実績は45万件以上で業界ナンバーワン、利用者の67.1%が転職後に収入がアップしています。

無料で登録 リクルートエージェントで求人を探す

 

 

*リクナビNEXT

リクナビNEXT

●未経験者でも応募可能な設備保全の求人が多数あります。正社員だけでなく、派遣社員の求人も掲載されています。

●半導体、自動車、食品など求人の業界の幅が広く、かつ工場内の設備保全だけでなくフィールドエンジニアの求人も多いのが特徴です。

転職者の約8割が利用している人気の転職サイトです。転職決定数もナンバーワンの実績です。

無料で登録 リクナビNEXTで求人を探す

 

あなたが自主保全士の資格を活かした転職を希望されるなら、ぜひ利用して欲しい転職サイトを合計7社紹介しました。

あなたが自主保全の出来るマシンオペレーターとして求人を探すのか、あるいは設備保全の専門職へキャリアアップを図るのか、それによって転職サイトを使い分けて下さい。

 

それぞれの転職サイトにはそのサイト限定の求人も多いし、特長も異なります。それゆえ多くの転職成功者が語っているように転職サイトは最低でも3社併用で利用することをお奨めします。

 

自主保全士検定の概要

自主保全士の認定者数は、2019年までの累計で178,037名です。内訳として検定試験の認定者が118,509名、通信教育の認定者が59,528名となっています。

では、自主保全士の検定概要、受検方法、難易度などを説明していきます。

 

まず、自主保全士の資格は公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が認定する民間資格であり、国家資格ではありません。

もしもあなたが現在、製造部門に属し、これから保全業務へ取り組みたいと思うなら、最初の取っ掛かりとして自主保全士の資格を狙うのは大いにアリだと思います。

 

そしてその先に国家資格である機械保全技能士の取得、更には製造から設備保全への転職、キャリアアップを計画されることも可能です。

 

ここから自主保全士の資格をもう少し詳しく説明していきたいと思います。

項目 説明(概要)
資格名 二級自主保全士
どんな資格か ・製造部門のオペレーターを対象に自主保全を行うために必要な技能や知識を認定する資格で(社)日本プラントメンテナンス協会(JIPM)による民間資格です。

・自主保全とは設備を使用するオペレーター自身が行う日常点検レベルの保全活動のことです。

・2001年から始まった資格で、等級には一級と二級があります。

受験資格 ・年齢、職歴などの制限がなく、誰でも受験することが出来ます。
受験方法 ・願書受付 7月
・試験 10月
・試験場 
全国の指定公開会場(20か所以上)又は30人以上まとまれば企業内で受験可能。
・受験料 
6,480円(税込み)
・試験は学科と実技があります。
合格率
(2019年)
・65.7% (通信教育受講者除く)
受験者数 9,301人 合格者数 6,110人
設備保全の転職
に有利か
・設備保全の求人で、自主保全士を歓迎資格に指定する求人はほとんどありません。資格を持っているだけでは有利とは言えません。
・あなたが現在製造部門のオペレーターで、今後設備保全の仕事をやりたいと考えているのであれば、まずはこの資格から取得するのはアリです。

 

自主保全士検定の追加情報

自主保全士検定の受験資格

自主保全士の検定には一級と二級があります。

●一級自主保全士検定

実務経験4年が必要です。実務年数には製造、生産、保全、及びスタッフとしてこれらの業務を支援した年数を含むことが可能です。

また、途中で転職していれば転職前の年数を加算することも出来ます。

 

●二級自主保全士検定

実務年数の制限はありません。初心者でも受験可能です。

また、一級、二級、共に学歴や他の資格の制限はありません。

自主保全士検定にはどんな問題が出るの?

まず、自主保全士一級と二級の違いについて説明しましょう。

●一級自主保全士

チームリーダーとして自主保全の計画立案が出来、メンバーの保全活動について実践指導が出来る知識と技能を持っている。

 

●二級自主保全士

製造部門の一員として生産・製造を行いながら、自分の担当する設備や工程の自主保全が出来る。

つまり、二級自主保全士は自分のことは自分でちゃんとやれる、一級は自分のことだけでなくチーム全体の面倒をみることが出来る、そんな資格と言えます。

一級と二級にはこのような差があります。当然、検定問題にもその差にふさわしい問題が出題されます。

ノギスと図面
(写真は試験問題とは関係ありません)

以下、試験に関する情報です。

①一級、二級ともに学科試験と実技試験があり、試験時間は両方合計で120分です。120分は連続して行われ時間配分は受験者の自由です。

 

②一級、二級ともに学科試験は〇×の正誤判定方式で100問あります。

 

③一級の実技試験は多肢選択式に記述式計で10課題あります。実際に工具などを使った実技はなくペーパーテストになります。

 

④二級の実技試験は多肢選択式で10課題あります。

 

⑤学科、実技、両方ともに100点満点で75点以上が合格ラインです。学科のみ、あるいは実技のみの合格判定はありません。

 

参考までに試験科目を紹介しておきます。

1.生産の基本
安全衛生や5S、品質、工程管理、職場のモラールなど8項目。

 

2.設備の日常点検
自主保全の基礎知識、自主保全活動支援ツール、初期清掃など9項目。

 

3.効率化の考え方とロスの捉え方
TPMの基礎知識、ロスの考え方、設備総合効率・プラント総合効率など5項目。

 

4.改善・解析の知識
改善・解析手法

 

5.設備保全の基礎
締結部品・潤滑・空圧・油圧など9項目。

 

以上の5科目から出題されます。

ご覧になってお分かりのように、設備保全、メンテナンスに必要とされる幅広い知識を問われます。

 

過去の出題例がこちらのサイトで見ることが出来ます。

『過去問サンプル』

この過去問サンプルをを見てみました。

以下、私の感想です。

●二級自主保全士の検定問題は非常に基礎的、基本的なものばかりです。保全業務を行う上では常識レベルで知ってくべき内容が問われます。日頃の日常点検で行う作業の中から出題されます。

 

●基礎知識をしっかり学んでいれば合格ラインの75点はさほど難しくありません。

 

●一級自主保全士の検定問題は二級より更に専門的、突っ込んだ問題が出題されます。過去の問題集で事前準備が必要かと思います。

自主保全士検定の難易度(合格率)

2019年における一級自主保全士、二級自主保全士の合格率は以下の通りでした。(通信教育受講者を除く)

項目 一級 二級
受験者数 4,256 9,301
合格者数 2,337 6,110
合格率 54.9% 65.7%

 

2019年はここ数年ではかなり合格者が多くなっています。例年だと一級の合格率は35%前後、二級の合格率は55%前後です。

過去の合格者数についてはこちらでご確認下さい。➡『データで見る自主保全士』

 

この検定はあくまでも製造部門のオペレータによる自主保全を対象にしており、出題された問題そのものはそれほど難問ではありません。

受験に際しては過去問を中心にしっかり準備すれば合格出来ると思います。

自主保全士と機械保全技能士の比較

自主保全士と機械保全技能士の2つの資格を比較してみたいと思います。どちらも設備保全に対する資格ですが、実は内容や対象は全く違います。

 

自主保全士は製造部門のマシンオペレーターが自主保全を行う為の知識やスキルを目指す資格です。一方、機械保全技能士は設備保全やメンテナンスを専門に行う為に必要な知識やスキルを目指すエンジニアの為の資格です。

ではもう少し詳しく自主保全士と機械保全技能士の比較を見てみましょう。

■自主保全士と機械保全技能士の比較

【資格の種類】
●自主保全士
民間資格(公益社団法人日本プラントメンテナンス協会認定)

 

●機械保全技能士
国家資格(名称独占資格)

 

【主な資格対象】
●自主保全士
製造部門のオペレーターが自分の担当設備の日常点検が出来る、また職場の保全リーダーが務まる知識、技能を認定する資格。

 

●機械保全技能士
工場の生産設備の保守保全、メンテナンス全般を担当する技能者、管理者、監督者に必要な知識、技能を認定する資格。

 

【資格の等級】
●自主保全士
1級・2級

 

●機械保全技能士
特級・1級・2級・3級

 

【合格率】(2019年度実施)
●自主保全士
・1級 54.9%
・2級 65.7%
(2019年度実施)

 

●機械保全技能士
・特級 21.6%
・1級 23.6%
・2級 32.4%
・3級 70.3%
(2019年度実施)

 

【転職で有利になる職種】
●自主保全士
製造マシンオペレーター

 

●機械保全技能士
設備保全・メンテナンス

 

以上のことから、自主保全士と機械保全技能士の違いをザックリ、分かり易く言えば、民間資格と国家資格、オペレーターの自主保全の資格とエンジニアの設備保全の資格、その差だと言えます。

まとめ

このページでは自主保全士の資格について、転職市場における需要や資格の活かし方、更に受検方法、難易度、機械保全技能士との違いなどについて説明しました。

 

あなたが製造部門にいて、マシンオペレーターを担当しているならぜひ挑戦して頂きたい資格です。自分でマシンの日常点検レベルが正確に出来るようになれば、素晴らしいスキルアップと言えます。

 

仕事のレベルも上がるし幅も広がります。きっとあなたにはもっと重要で遣り甲斐のある仕事が与えられるに違いありません。

 

あなたが転職を希望するにしても、社内で更なる活躍の場を求めるにしろ、必ず役に立つ資格と言えます。