「設備保全やメンテナンスの転職にどんな資格が有利ですか?」

こんな質問がネット上の相談サイトでよく見られます。これから転職を考えている人にとって、求人企業がどんな資格を求めているのか気になるところです。

 

あなたがすでに何かの専門資格を持っていれば、最もその資格を活かせる転職先はどこか知りたいでしょう?

あるいは転職希望の業種、職種、企業などが頭にあれば、そこへ転職するにはどんな資格が必要なのかも気になることでしょう。

現状のあなたに応募資格があるのか、採用条件を満たすことが出来るのか、絶対に知りたいはずです。

 

そこで、この記事では設備保全やメンテナンスの求人200件を調べたデータを元に、どんな資格が必要なのか、有利なのかを解説します。

この記事をお読み頂ければ、あなたの資格を活かした転職方法も分かるし、これからどんな資格を目指せばいいのかもお分かり頂けるはずです。

 

こうした資格に関する事前知識、情報を持った上で、転職サイト、転職エージェントを利用するのが効果的な転職活動です。転職エージェントに丸投げではあなたの希望する転職は実現しません。

 

設備保全の求人企業はこんな資格を求めている!

まず設備保全やメンテナンスの求人に、何らかの資格を必要とする求人がどのくらいの割合で存在するのか調べてみました。

調査は大手転職サイトdodaとパソナキャリアの2社の求人データを使いました。2019年9月調査です。

●dodaの調査結果
設備保全・メンテナンスの求人1,156件から最新の求人100件を調査。
何らかの資格を必須または歓迎条件に指定した求人➡32件。

●パソナキャリアの調査結果
設備保全・メンテナンスの求人1,142件から最新の求人100件を調査。
何らかの資格を必須または歓迎条件に指定した求人➡48件。

2社を合計すると、200件中80件が何等かの専門資格を必須、あるいは歓迎条件に指定しています。割合で言えばちょうど4割です。

 

やはり設備保全、メンテナンスと言う技術職では専門資格が必須とされたり、歓迎されたりする割合が高いのです。この意味では資格を持っていると転職には有利です。

では具体的にどんな資格が求められているのかデータをご覧頂きます。資格によって転職市場における需要にかなり差があります。

 

設備保全の求人200件中、80件が求める資格

先程の80件の求人がどんな専門資格を指定していたのか、具体的な資格名を紹介します。資格を指定したのは求人80件ですが、1つの求人で複数の資格を指定してるケースもあって、資格の指名件数は170件となっています。なお、自動車の運転免許は省略しています。

 

設備保全の求人200件中、80件が求める資格(表1)

*資格の種類:■必置資格 ■業務独占資格 ■名称独占資格 ■その他
*種類が重複しているものは片方のみ表示

資格名をクリックすると、その資格の詳しい解説記事を読めます。

資格名 件数 種類
電気主任技術者 48 必置
電気工事士 25 業務独占
エネルギー管理士 16 必置
機械保全技能士 14 名称独占
電気工事施工管理技士 13 名称独占
危険物取扱者 9 必置
高圧ガス保安主任者 7 必置
フォークリフト運転士 7
公害防止管理者 5 必置
玉掛作業者 5 業務独占
ボイラー技士 4 業務独占
消防設備士 4 必置
クレーン運転士 3
自動車整備士2級以上 2 業務独占
1級建築士 2 業務独占
電子機器組立て技能士 1 名称独占
電気機器組立て技能士 1 名称独占
自主保全士 1 名称独占
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者 1 必置
機械加工技能士 1 名称独占
溶接技能者 1 名称独占
合計 170

参考:半導体製品製造技能士

上位5資格のうち、電気主任技術者、エネルギー管理士の2つは必置資格であり、電気工事士は業務独占資格です。また電気工事施工管理技士は名称独占資格ではありますが、必置資格や業務独占資格に近い性質の資格です。

このように必置資格や業務独占資格は資格そのものに法的規制があるため、転職市場でも需要が高く応募条件に指定する求人が多くなっています。

 

資格をとる

 

一方、機械保全技能士や自主保全士のような名称独占資格は資格そのものに法的な規制がありません。資格がなくても保全業務に支障は出ません。それゆえ応募資格に指定されることが少ないのです。

ただし、名称独占資格もアピールの仕方によっては転職活動に役立ちます。詳しくはそれぞれの資格説明記事をお読み下さい。

その上でアピール方法を転職サイトや転職エージェントにサポートしてもらうのがベストです。

 

各資格の詳細については、表中の資格名をクリックして下さい。

 

どんな保全業務がどんな資格を必要とするのか?

あなたが持っている資格がどんな仕事に転職するのに役立つか、それは各資格の説明記事をお読み下さい。詳しく解説してあります。(先程の表中の資格名をクリックすると資格記事のページへ移ります。)

資格から転職先を検討することが出来ます。

 

では次にあなたが希望する転職先ではどんな資格が必要とされるのか、それを概略説明したいと思います。むろん、個別の企業事情によって必要な資格は変わるので、あくまで一般的な目安としてのお話です。

 

【保全のジャンル別 主に必要とされる資格】

●各種発電所、変電所
電気主任技術者・電気工事士・電気工事施工管理技士・環境計量士 ・公害防止管理者

●工場の生産ライン保全
機械保全技能士・自主保全士・玉掛作業者・クレーン運転士

●工場のユーティリティ保全
電気主任技術者・電気工事士・エネルギー管理士・ボイラー技士・高圧ガス保安主任者・公害防止管理者・危険物取扱者

●ビルメンテナンス
電気主任技術者・電気工事士・エネルギー管理士・ボイラー技士・高圧ガス保安主任者・消防設備士

●プラントエンジニア
電気主任技術者・電気工事士・機械保全技能士・エネルギー管理士・ボイラー技士・高圧ガス保安主任者・機械加工技能士・溶接技能者

●電気保安協会など保安業界
電気主任技術者・電気工事士

 

電気主任技術者

英会話のスキルが指定されることもあり

専門資格ではありませんが、英会話の能力も転職においては資格同様、かなり重要です。

自動車や半導体業界はむろん、家電、機械、化学などの分野にも英語力を必要とする保全求人が多数出ています。海外で大型プラントの建設などを請け負う企業からも多いです。

海外勤務が前提の求人では英語能力は必須条件として指定されています。

 

また、海外から日本に進出している外資系企業の求人や、逆に日本から海外へ進出している企業の保全求人にも英会話が必須条件になっているケースが多く見られます。

 

英会話が出来ること

 

ではどの程度のレベルの英会話が必要でしょうか?

私が求人情報を確認した範囲では最も多かったのは「初級レベル」でした。

ただ、この初級レベルが具体的にどの辺りのレベルを指すのが不明です。例えば英検3級とか、TOEIC(トーイック)400点みたいな指標があると分かり易いのですが。

 

中には、

「英会話に抵抗のないレベル」

と言う求人条件もありました。これも何となく分かりにくいですね。

また「中級レベル」とか、「ビジネスレベル」などを要求する企業も見られます。ここも具体的なレベルが不明瞭です。中にはTOEIC600点以上と条件提示された求人もあります。

 

ではあなたがもしも、英語に自信はないけど英会話指定の求人案件に応募したいならどうしますか?

まずは本業の設備保全の技能をアピールし、入社後に英会話能力向上の意思があることを伝えればいいと思います。

 

英会話の能力は、それこそ初級レベルなら3ヶ月から6ヶ月ほど真剣に取り組めば身に着きます。あなたのヤル気次第で乗り越えられるハードルだと思います。

もっとも、ビジネスクラスの英会話を要求されると、これはそう簡単にはいかないかも知れません。相手企業とのご相談ですね。

 

資格の分類|必置資格・業務独占資格・名称独占資格

最後に資格の分類について説明しておきます。個別の資格を理解するのにぜひ知っておいて欲しい知識です。

細かい説明はともかく、ザクっとした要点だけご理解頂ければと思います。

 

国家資格と民間資格

まず、資格は認定しているのが国か、民間団体かで大きく2種類に分かれます。

国が認定する資格は国家資格であり、民会団体や協会が認定する資格が民間資格です。一般には国家資格の方が権威があって信用度も高いイメージがあります。

 

当サイトで設備保全関連の資格を紹介していますが、ほとんどは国家資格です。民間資格として紹介しているのは、自主保全士、計装士の2種類だけです。

 

国家資格は法律上特別な扱いを受けます。その扱いによって必置資格、業務独占資格、名称独占資格の3種類に分類されます。それぞれ説明していきます。

 

必置資格

ある事業や業務を行う際にその企業や事業所に資格保持者を最低一人、必ず置かなければならないと法律で定められている資格を言います。

これらの資格は転職市場でも需要の高い資格であり、応募の必須条件、優遇条件に指定されることが多いです。なお、必置資格は業務独占資格と重複することがあります。

 

【主な必置資格】

電気主任技術者・エネルギー管理士・危険物取扱者・公害防止管理者・高圧ガス保安主任者・消防設備士など

 

業務独占資格

ある業務を行うのに、安全管理、衛生管理などの観点から資格保有者のみがその業務を行うことが出来ると法に定められている場合、その資格を業務独占資格と言います。

この資格も保有者がいないと該当業務が出来ないため、転職市場で需要の高い資格と言えます。

一番分かりやすいのは医師です。無資格、無免許で医療行為を行うと当然処罰されます。患者の命を預かる仕事ですからね。

 

【主な業務独占資格】

電気工事士・玉掛作業者・ボイラー技士・自動車整備士・建築士・ガス溶接技能者など

 

名称独占資格

名称独占資格とは、その資格がなくても業務は出来ますが、かってに資格名称を名乗ることが法律で禁止されている資格です。分かりやすく言うと、資格の肩書を勝手に使うことは許されない、と言うことです。

しかし、名称独占資格は必置資格や業務独占資格と違って業務遂行に関する法的な規制がありません。資格保有者がいなくても業務に従事することが可能です。

従って、企業からすると求人の応募条件にはあまり指定しない資格だと言えます。

 

【主な名称独占資格】

機械保全技能士・電気工事施工管理技士・自主保全士・半導体製品製造技能士など

 

必置資格・業務独占資格は需要が高い

設備保全やメンテナンスの求人で必須、または歓迎条件に指定されるのは必置資格、業務独占資格が圧倒的に多いです。名称独占資格はあまり出てきません。

 

例えば大手転職サイトのdodaで、電気主任技術者、電気工事士、機械保全技能士をそれぞれキーワードに求人検索した場合を比較してみると、こんな結果になります。

 

●電気主任技術者の求人件数 912件(必置資格)

●電気工事士の求人件数 1,458件(業務独占資格)

●機械保全技能士の求人件数 33件(名称独占資格)

(2020年10月 dodaキーワード検索)

 

やはり必置資格、業務独占資格は強いです。何しろその資格保有者がいないと事業が出来ません。

一方、名称独占資格は資格保有者がいなくても、相応の知識やスキルを持つ人材さえいれば企業は困りません。この差が求人検索結果に現れています。

 

ただ、機械保全技能士と言う資格を持った人材はいなくても困りませんが、機械保全技能士に相当する知識、技能を持った人材は必要不可欠です。

従って、名称独占資格を転職に活かすには単に資格名でアピールするのではなく、過去の実績、これからの業務に資格をどう活かせるか、そういったアピールが重要になります。

 

効果的なアピール方法は業界、業種、企業ごとに異なります。やはり転職事情に精通した転職エージェントのサポートを利用するのがいいと思います。

転職エージェントのサポートは完全無料なのですから、こんな便利なサービスを利用しない手はありません。

 

まとめ

設備保全やメンテナンスの仕事にどのような専門資格が存在するのか、凡そのところはお分かり頂けたでしょうか。ここでは特に求人に多く指定される専門資格について、別に記事を用意してあります。

そちらで資格の取得難易度や受検方法、更には転職活動に活かす方法などを詳しく解説してあります。ぜひ関心のある資格をご覧下さい。

【設備保全やメンテナンス職で需要の高い資格】

電気主任技術者

電気工事士

電気工事施工管理技士

エネルギー管理士

公害防止管理者

機械保全技能士

自主保全士

半導体製品製造技能士

電子機器組立て技能士

危険物取扱者

玉掛作業者

ボイラー技士

 

設備保全やメンテナンス職の転職に資格は重要ですが、いかなる資格も保有しているだけでは役に立ちません。実際にその資格を活かした実務経験が豊富であってこそ、強力なアピール材料となります。

従って転職活動における資格の活かし方は実務経験とセットでアピールすることが重要となります。

また、どの企業がどんな資格者を必要としているのか、その情報も重要です。繰り返しになりますが、そのために転職エージェントの利用が効果的です。