未経験者が機械設計者を目指すにはどうすればいいでしょうか。

ネットの相談サイトでは全くの未経験から設計者を目指す人、すでに設計をやっていて別の会社に転職を希望する人から多数の相談が寄せられています。

 

当サイトでは設備保全の求人、転職情報を中心に情報発信していますが、機械設計の情報もまた発信しています。

設備の稼働率改善やメンテナンス性の改善に機械設計が不可欠だからです。保全担当者の中にも自分で設計をやりたいと希望する人は多くいます。

 

何より私自身、エンジニアとしてのスタートは機械設計でした。自分が20年以上機械設計の実務をやり、また機械設計のエンジニアを採用する側の仕事も20年近くやりました。

 

そんな私の経験も織り交ぜながら、あなたが機械設計者を目指すお手伝いが出来ればと思います。

 

図面

 

機械設計者を目指す人が知っておくべきこと

ネットの相談サイトを見ていると、機械設計と言う仕事をそもそも十分理解していない、知らずに相談している人が多いなと感じます。

実際問題、未経験者ならそれも当然です。

 

機械設計と言う仕事の難易度もそうですが、まずは業務範囲と言うか、業務の流れをご存じない。

ここではまず、未経験者のあなたに機械設計の全体のイメージをつかんで欲しいと思います。

 

機械設計と言う仕事の流れ

ひと口に機械設計といっても、上流工程から下流工程まで相当幅広く仕事があります。

では機械設計者はどんな仕事をするのか。上流工程から順に説明していきたいと思います。

全体をイメージして頂くため、設計以外の業務も紹介しています。

 

■商品企画・構想

まず、設計に着手する前段階として企画です。どんな商品を、どんな市場へ、どんなコンセプトでリリースするのか?

ここが商品開発のスタートになります。

 

ライバルとの競合、市場性などを検討し商品のイメージ造りをします。ここではたった1枚のラフなポンチ絵だけで検討することもあります。

むろん販売予測、利益予測も行います。

 

当然ですが、スタートが間違っていれば、後の工程がどんなに優秀でも商品は売れません。まさに一番重要、付加価値の最も高い工程です。

 

商品企画は多くの場合、マーケティング部門、営業部門からの起案になります。設計者が自分で企画をあげることもありますが、設計とは別の能力を必要とする仕事です。

中小企業ではトップ自ら起案することも珍しくありません。

 

かつて私は関西の事務機メーカーに勤めていましたが、新商品の企画は開発部の部長と営業所の所長の2人が中心でした。

この2人の企画成功率は信じられないほど高率で、外れがほとんどありませんでした。企画した商品の9割以上がヒット商品になっていました。

 

そんなお二人の企画を見ていて、商品企画とは凡人には到底無理だと思いました。いくら人数が集まってもダメです。

まさに企画業務は少数精鋭、1人のセンスが10人の凡才に勝ります。

 

■(商品の)構想設計

企画がまとまったら、次は商品の構想設計です。商品仕様を固めていきます。商品のイメージをより具体的な形にしていきます。

 

企画段階のポンチ絵をかなり詳細な商品イメージ図に仕上げていきます。それもユーザーの手元に届いて使われる状態がイメージ出来るようにします。

 

どんな機能を持っているのか、どんな大きさで、どんな使いかってなのか。今までの既存商品やライバル商品との差別化はどこか、メリットは何か。

そういったことを商品企画に沿って具体的に表現していきます。また、大まかな原価計算も行います。

 

■詳細設計

構想設計でGOの判定が出れば、いよいよ試作機(開発機)の詳細設計に着手します。ここからは複数の担当者による分業となることもあります。

 

詳細設計によって、いわゆる設計図を完成させます。筐体設計から機構設計、動力設計など機械設計者が最も知恵を絞って付加価値を生み出す工程です。

 

私が事務機の設計をやっていた当時は、詳細設計には約1ヶ月ほどかかっていました。むろん、商品の仕様にもよるのですが、部品点数が300点ほどの商品なら1ヶ月が目安でした。

 

また商品は機械設計だけでは完成しません。電気回路の設計者やソフト設計者なども必要になります。1つの商品に対して開発に必要な設計者が集まってプロジェクトチームを組みます。

 

私は入社3年目で初めてプロジェクトリーダーを任されました。リーダーとしてそれまでにない責任の重さを感じましたが、同時にやりがいも感じてとても嬉しかったのを覚えています。

 

■部品図作成

詳細設計が終わり、設計図が完成したら次は部品図を作成していきます。ここからは機械設計者以外による分業もアリです。

設計図から部品図にばらす作業を外注化したり、派遣社員のCADオペレーターに任せたりします。

 

ただ、部品図作成にあたって、材質、表面処理、ハメ合い公差、熱処理、溶接などの指示が必要になります。

これらは設計作業の一部であり、設計者の指示が必要となります。

 

部品図が完成し、購入品のリストも完成すれば、いよいよ出図手配となります。社内加工もあれば外注加工もあるでしょう。

購買、調達担当部署からの発注がかかります。

 

出図から部品搬入までの期間が、機械設計者にとって少しホッとできる、のんびり出来る期間となります。

私の場合は2週間から3週間くらいが調達期間でした。この間は毎日定時にあがって遊びに行ったり飲みに行ったりしていました。

 

またこの間に部品図から組立図を完成させ、設計ミスがないかチェックしていました。現在ではCADの機能が充実しているので、当時のような手間は不要ですね。

それから部品搬入後の組立て準備もやっていました。

 

ただし加工現場から図面不備の問い合わせが入ることもあり、電話が鳴るたびにドキッとするのもこの時期です。

 

■試作機の組立て

試作機については設計者自らが組立てを行います。設計上のミスがないか、狙い通りの仕様を満たしているか、設計者の目で確認します。

 

私は自分で設計した商品を組立てするのが楽しみでした。頭の中で考えた商品が実際の形になっていく、それは何とも言えず興奮する瞬間でした。

機械設計者は誰でも同じ、皆そう思うのではないでしょうか。

 

■図面修正・設計見直し

加工中に見つかった図面不備、そして組立て中に見つかった図面不備を修正します。また組立て後の試運転で見つかった不備も修正していきます。

 

まずは図面の不備を修正した上で、可能な範囲で設計の見直しによる改善も行います。

 

ただし、試作機作成の最大の目的はそもそもの商品企画が実現できるかどうか、その確認です。

基本仕様の確認が最優先であり、コストや見た目のデザイン、耐久性や操作性などの改善は後回しになります。

 

検討結果によっては仕様変更まで遡ることもあります。と言うか、まず仕様変更なしで進めることはめったにありません。

ここまで完了すれば、設計作業としては1つの区切りと言えます。

 

■未経験者はどの工程からはじめるか?

もしもあなたが設計未経験で採用されれば、まずは部品図作成か、組立て工程から始めるでしょう。いきなり設計をやる訳ではありません。

 

設計だけを請け負う会社なら組立て工程がないので、先輩社員のサブとして図面作成から始めることでしょう。

ここでCADの操作、機械製図、そして機械要素や加工のことなども教わります。

 

社内に組立て工程がある会社なら、まずは試作機の組立てから始まるかも知れません。

実際に設計された部品を組み立てることで機構部品はどんな形状でどんな働きをするのか、動力周りはどんな部品でどんな伝達をするのか、理解すると共に覚えていきます。

 

こうした工程から始まって、先ほど説明した機械設計の工程を下流から上流にさかのぼっていくことになります。

 

未経験者が機械設計者を目指すにはどうすればいいか?

今、ざっと設計作業の流れを説明しました。むろん、商品の規模、仕様、会社のリソース事情によってやり方、流し方は変わってきます。

また担当者個々のキャリアや能力によってどの範囲を担当するのか、それも異なってくるでしょう。

 

では、全くの未経験者が機械設計のエンジニアを目指すにはどうすればいいでしょうか?

未経験者を採用してくれる会社があるのでしょうか?

 

■CADオペや独学で設計者を目指せるか?

ネット上の相談サイトを見ていると、

『CADオペをやりながら機械設計者を目指したい』

『事務の仕事をやりながら、独学で機械設計を学びたい』

こんな類の相談が出てきます。

 

こうした相談の答えは、いずれも

『不可です』

となります。

 

設計者を目指すのであれば、設計の現場で学ぶしか方法はありません。設計者に必要な知識と経験は設計現場でしか学べないのです。

 

あなたが例え何年CADオペレーターを経験したとしても設計者にはなれません。CADで図面を描くスキルが磨かれるだけで設計能力が身に付くわけではありません。

 

また、自宅で独学でやれるのは機械製図の勉強くらいのもので、それは設計のスキルとは異なります。CADオペレーターを目指すなら効果アリですが、機械設計者を目指すには全く不足です。

 

繰り返しますが、機械設計の仕事を目指すなら、設計の現場に身を置くこと、これしかありません。

 

■では、どうすれば未経験者が設計者になれるか?

今も言ったように、機械設計者になりたいなら、機械設計の現場に入るしか方法はありません。CADオペの求人ではなく、機械設計者募集の求人に応募することです。

 

しかし多くの機械設計の求人は経験者を募集、優遇しています。キャリア採用は即戦力の補充が基本ですから当然そうなります。

採用したら1日も早く現場の戦力になって働いて欲しいのです。

未経験者は応募することすら難しいのが現実です。

 

しかし転職市場に優秀な設計者はそうそういません。数少ない人材は多くの企業の取り合いとなり、よほどの好条件を用意しないと採用は難しいのです。

 

そこで企業の中には、例え機械設計は未経験であっても設計者としての資質、適性アリと判断出来る人材なら採用しようと動くことがあります。

未経験者を採用した後に社内で教育し、一人前の機械設計者に育てようと言う人材戦略です。

 

こうした未経験者歓迎の求人を積極的に行っているのは、エンジニアの派遣会社です。

派遣会社は言葉悪いですが、まずは人集めが何より先決です。優秀な人もそうでない人も、それなりに派遣先を見つけてビジネスを成立させます。

 

従って、エンジニア派遣会社の求人には未経験者歓迎案件が多いのです。自社である程度教育したら、後は派遣先の企業が教育してくれる、そこも計算しています。

 

派遣会社以外でも製造メーカーの求人で未経験者歓迎案件は探せば見つかります。しかし、求人件数は極めて少数であり、そう簡単には見つかりません。

従って複数の転職サイトを利用するなど、探し方に工夫が必要となります。探し方については後で詳しく解説します。

 

ただ求人を探すのは苦労しますが、その代わりメーカー採用は派遣会社と違って社内でしっかり教育してくれます。教育体制が整った求人がほとんどです。

 

■機械設計を目指すのに有利な資格と経験

機械設計未経験者なら資格は持っていないし、設計の経験もない。それが当たり前でしょう。

しかし、直接機械設計に結び付く資格や経験はなくても、間接的に役立つ資格や経験はどうでしょう?

もしかしたら、あなたにはそれがあるかも知れません。

 

例えば、あなたがモノづくりに関わる何かの資格や経験を持っていたとしたら、それは採用には大きなアドバンテージになる可能性があります。

なぜなら機械設計はモノづくりの上流工程であり、その下流工程を知っていることは設計者にとって貴重な財産となるからです。

 

一番ドンピシャな仕事で言えば設備保全や生産技術です。こうした仕事の経験者は機械設計には未経験の中でも、歓迎されます。

あるいは製造現場でマシンオペレーターをやりながら自主保全もやっていた、と言う経験も同様に歓迎されます。

 

この他品質管理やプロセスエンジニア、組立てや加工、検査の仕事なども有力です。同じ未経験者でもモノづくりの現場を熟知していることで差別化出来ます。

 

資格についても、機械保全技能士や自主保全士、半導体製品製造技能士、電子機器組立て技能士、QC検定などは役に立つ資格です。

その資格を持っているからと言って機械設計に直接役に立つ訳ではありませんが、採用する側から見ればモノづくりの専門知識、技術を持っているという客観的指標と判断出来ます。

 

それは未経験者であっても、機械設計の適性、資質があると判断出来る材料となります。企業も未経験者をやみくもに採用する訳ではありません。

モノづくりの経験者、資格保有者は企業にすれば優先すべき人材となります。

 

それから資格ではありませんが、語学力も設計者には歓迎される能力です。設計は未経験でもTOEIC600点とか700点以上の実力があれば、これもまた評価される可能性があります。

大企業はむろん、地方の中小企業であってもどこかで世界につながるビジネスチャンスがあります。設計者自らが通訳なしで英語が話せれば大きな戦力となります。

 

事実、機械設計者募集の求人で、英会話能力を歓迎する案件は多数あります。あなたに語学力の自信があるなら、ぜひそれはアピールして下さい。

 

■機械設計に関連した資格

ここで機械設計に直接関連した資格を3つ紹介しておきます。

機械設計技術者、機械・プラント製図技能士、CAD利用技術者試験、この3つです。

 

これらの資格は機械設計者が自分のスキルアップの為に受験する資格です。

あるいはCADオペレーターとしてのスキルアップを目指す為に受験する資格です。

 

●機械設計技術者(民間資格)

一般社団法人 日本機械設計工業会が平成7年度より、機械設計技術者の技術力を公に認定する試験制度として「機械設計技術者試験」を実施しています。

1級、2級、3級があって合格率は約30%とかなり合格するのが難しい試験です。

 

機械設計者にはドンピシャの資格ですが、未経験者がいきなり目指す資格ではありません。設計実務をこなしながら自分のスキルアップ目的で勉強し、受験する試験です。

 

●機械・プラント製図技能士(国家資格)

機械やプラントの製図を行う技術者の能力を認定する資格です。製図能力に加えて、図面作成時に必要な機械的知識、設計的知識も求められます。

 

機械製図には「機械製図手書き作業」と「機械製図CAD作業」の2種類があり、それぞれ1級から3級まであります。

 

私はかつて機械製図手書き作業の2級を受験した経験があります。学科は合格しましたが、実技で不合格となりました。

私には相当難しくて歯が立ちませんでした。

 

しかし、私が受験したのはもう随分前の話であり、今なら断然CAD作業がお奨めです。

ただし1級は実務経験7年以上、2級は2年以上の受験資格制限があります。3級は特に制限ありません。

 

●CAD利用技術者試験(民間資格)

一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催するCADオペレータに関する試験です。

3次元CADと2次元CADの試験に分かれ、3次元では1級、準1級、2級、2次元では1級、2級、基礎のそれぞれ3段階のレベルがあります。

 

先ほど本文の中で、CADオペレーターを何年やっても機械設計者にはなれないと説明しました。それはその通りなのですが、機械設計者もCADを使います。

従って、CADの利用スキルが高いことは設計業務にプラスであることは間違いありません。

 

私自身はこの試験を受けた経験はありませんが、部下の中には数名合格者がいました。いずれも優秀な機械設計者です。

自己啓発の一環で受験しているので、そもそもモチベーションが高くスキルアップにも熱心でした。

 

ちなみに合格率を調べてみるとこんな感じです。

●3次元CAD利用技術者試験 合格率

2019年 前期

・1級  合格者数   59名  合格率 21.0%

・準1級 合格者数 142名  合格率 47.6%

・2級  合格者数 844名    合格率 68.1%

 

●2次元CAD利用技術者試験(機械) 合格率

2019年 前期 *2級と基礎は2018年実績

・1級  合格者数     100名  合格率 48.1%

・2級  合格者数 2,103名   合格率 50.2%

・基礎  合格者数   393名   合格率 79.6%

 

以上、機械設計技術者、機械・プラント製図技能士、CAD利用技術者試験と3つの資格を紹介しました。

いずれも機械設計者が自分のスキルアップ、能力向上の為に受検する資格です。

 

ただ、近年はフリーのCADソフトをネットからダウンロードして利用することが出来ます。CADってどんなことが出来るのか、見ておくことは役に立ちます。

それに機械製図は独学も可能なので、自宅でCADを使いながら勉強するのはアリです。

 

ネットの合格体験記を読むと、2次元CAD利用技術者試験の2級に独学で合格した人はがけっこういます。

機械設計には全くの未経験者であっても、CADの操作は出来るとなれば有利なことは間違いありません。

 

ただし、先ほども説明したようにそれで機械設計者になれる訳ではありません。CADと言う設計ツールに慣れると言う意味合いです。

 

機械設計者の年収はどのくらい?

さて、あなたが機械設計者になれたとして、では年収はいかほどが期待できるでしょうか?

機械設計者の平均年収について、様々な調査結果がネット上で確認出来ます。

その一例を紹介します。

 

カウンセラー恵理

機械設計者の年収は・・・

●転職サイトDODA 474万円

●転職サイト求人ボックス 448万円

●口コミサイト転職会議 479万円

●マイナビ転職 573万円

このようにざっと見た感じで450万円~570万円といった所です。

 

しかし、これはあくまで現在機械設計の仕事に従事しているエンジニアの平均年収です。未経験者が採用された場合の予定年収ではありません。

 

多くの求人を見て回ると、未経験者の予定年収は凡そ260万円~350万円といった金額が目安です。大企業の条件のいい求人でも350万円前後です。

未経験者にいきなり400万円超えの年収を用意するような求人はまず見つかりません。

 

入社時の年収は300万円でも、その後に設計者として実績を積み上げれば当然年収も増えていきます。

35歳、キャリア10年くらいになると年収も500万円~600万円くらいまで増える可能性があります。

これも平均金額なので、大企業で活躍する35歳だと年収800万円と言うケースも決して珍しくありません。

 

要はあなたが機械設計者としてどれだけ付加価値の高い設計が出来るか、それで年収が決まります。

何しろ商品の品質やコストの7割は設計で決まります。生まれの悪い商品は育ちでカバー出来ません。

 

逆に言えば優れた設計は企業に大いなる利益をもたらします。従ってまともな会社なら、優秀な設計者は必ず優遇します。

 

機械設計に向いている人・向いていない人

さて、ここで機械設計に向いている人、向いていない人を説明したいと思います。

私自身は機械設計の現場で20年ほど実務をやりました。そして自社、協力会社、客先で多くの機械設計者を見てきました。

 

また、機械設計者を採用する側の仕事も20年間ほどやりました。その経験から、機械設計と言う仕事はかなり向き、不向きがハッキリしていると感じます。

 

機械設計に向いている人

機械設計に向いている人は、こんな人です。

■設計と言う仕事が好きであること。

当たり前ですが、設計が好きでないとやれません。好きな理由は人それぞれでしょうが、とにかく強い想い込みが必要です。

 

それが自分勝手な理由であってもいいのです。簡単にはあきらめることが出来ない、どうしても設計がやりたい、そんな熱い想いが必要です。

 

機械設計は見た目ほどかっこいい仕事でも楽な仕事でもありません。肉体的にも精神的にもかなり負担の多い仕事です。

絶対に途中で投げ出さない、最後まで必ずやり遂げる、それを可能にするのは責任感ではなく設計に対する想いの深さです。

 

機械設計者の資質

 

■物事を論理的に思考することが出来る。

設計はカンで行うものではありません。しっかりした理論の裏付けがあって初めていい設計が出来ます。

とことん考え抜く、考えることが苦にならない、そんな人が設計者に向いています。

 

いや、苦にならないと言うより大好き、と言う人が向いています。会社から戻ってお風呂に入っている時も、布団に入っている時も常に頭に思い浮かび考え続けている、そんな人が設計者向きです。

 

■目がいいこと、指先が繊細なこと。

意外と思われるかも知れませんが、私が知る限り優秀な機械設計者は例外なく目がよく、指先が繊細でです。

 

目がいいと言うのは視力ではありません。ささいな変化、異常も見逃さない、細かな点にも注意が行くと言う意味です。

 

指先が繊細と言うのは、指先で触れることによって入って来る情報に敏感と言う意味です。

例えばハメ合い公差の適否、動作の重さ、滑りの軽さ、テンションの張り、こうしたものを指先で触れた時に直感的に正常か異常かを判断することが出来る人です。

 

別の表現をするなら、指先の感覚を記憶出来る人です。基準になる感覚を覚えることが出来る人です。

大事なことは、このような目から入る情報、指先から入る情報を設計にフィードバック出来るかどうかです。

自分の経験としてこうした情報を蓄積出来る人が設計者に向ています。

 

■コミュニケーション能力に長けた人

1日中ずっとCADの前に座って図面を描いている。別にコミュニケーション能力は不要では?

そう思うあなたは大間違いです。機械設計者にとってコミュニケーション能力は必要不可欠です。

 

なぜなら、機械設計とは決して自己完結する仕事ではないからです。上流から商品企画、構想設計が降りてきて、自分の下流へは図面を出して加工、組立てをしてもらうことになります。

 

そうした他部署との仕事のやり取りにコミュニケーション能力が必要なのです。正確に自分の考えを伝えること、相手の考えを理解すること、これなくして設計業務は出来ません。

コミュニケーション能力に優れた人は設計者としてかなり有望です。

 

またプレゼンテーション能力も必要です。受注の為の客先へのプレゼンであったり、社内で承認や合意形成の為に必要なプレゼンであったり、その機会は多いのです。

 

ただ、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力は訓練することでかなり上達することが出来ます。

元々が口ベタであったり、人前で上がり症であったとしても、そう心配することはありません。

 

しかし中にはそうした訓練そのものが苦手、と言う人もいます。極度にコミュニケーションが嫌いと言う人は設計者は向いていません。

 

■好奇心が旺盛で、知識欲の旺盛な人

何にでも興味を持ち、自分が知らないことはすぐに調べてチェックしないと気が済まない、そんな性格が設計者に向いています。

 

とにかく、設計と言う仕事は自分の持っている引き出しの多さが勝負の仕事です。空っぽの頭脳から優れたアイディアは生まれません。

貪欲なまでの知識欲が設計者には必要です。

 

■頭の中で3次元CADが使える人

これはちょっと分かり難い表現ですが、要するに頭の中で立体的、3次元的に部品や商品をイメージ出来る人です。

構想設計にしろ詳細設計にしろ、スタートは頭の中です。それをCADを使って図面化していきます。だからまずは頭の中で立体をイメージ出来ないと設計は出来ません。

 

これは慣れや訓練で何とかカバー出来る部分と、全く改善出来ない部分があって、設計には向いていない人がいます。

 

■もしかして、これも?

さて、以上が機械設計に向いている人です。

もしかしたら、あなたは「創造力のある人」「独創的なアイディアを出せる人」「常識や既成概念にとらわれない人」なども予想したかも知れませんね。

 

確かにそんな人も設計者に向いていると言えます。しかし、創造力や独創性が特別優れていなくても設計者にはなれます。

なぜなら、多くの設計は模倣から始まるからです。いきなり独創性や創造性を要求される訳ではありません。

 

既存の設計を学ぶことであるレベルの設計は出来るようになります。そこから更に上をいく、突き抜けた設計はセンスの問題であり、その人の創造力、独創性によります。

 

しかし、誰もがそのレベルになれる訳ではなく、なる必要もありません。それゆえ、あえてここでは向いている条件に上げませんでした。

 

機械設計には向いていない人

先ほど説明した、機械設計に向いている人の裏返しが向いていない人です。

決定的に向いていない人は考え続けることが嫌な人、出来ない人です。何かのテーマについて考えた時、答えが1つ見つかるとそこでもう終わってしまう人です。

 

優れた設計は多くの選択肢の中から生まれます。考えて考えて、考え抜いた複数の案の中から選ばれたものが正解となるのです。

 

つまり、安易に自分の案に妥協してしまう人は設計者には不向きと言えます。どこまで考えても、もっといい案があるのではないか、そう疑う人が設計に向いています。

 

CADオペレーターと設計者の違い

■CADオペと設計者は全く別もの

すでに先ほど触れましたが、CADオペと設計者は全く別の職種です。関連はありますが、別の仕事です。

5年、10年、何年CADオペをやっても設計者にはなれません。設計者の入り口にもなりません。

機械設計者を目指す人が、まずはCADオペで経験を積もうと考えるのは間違いです。

 

確かに設計者も図面を描きます。構想図、設計図、部品図、組図、そうした図面を描くのにCADのスキルは必要です。

しかし、設計者が図面を描く最大の目的は、自分の頭の中にあるアイディアを形にするためです。もし図面なしで形に出来れば図面を描く必要もありません。

 

つまり、CADを使うことは設計の手段の1つであって目的ではありません。そこがCADオペとは違う点です。

どんなに上手に図面が描けても肝心のアイディアが出て来なければ設計は出来ません。

 

また、設計者に要求される知識やスキルはCADオペとはまるで違います。CADが使えることはほんの一部に過ぎません。

機械設計をする為には機械要素に精通している必要があるし、加工や組立のことも知っている必要があります。

 

■でも、CADオペが設計をやった実例もある

ではCADオペから設計者になることは絶対に不可能かと言えば、そうとも言えません。

かつて私の職場にCADオペとして派遣社員を2名採用しました。そのうちの1人は女性でかなり優秀、簡単な指示だけで図面変更をしてくれました。

 

例えば、部品が10点でセットになったユニットがあるとして、そのユニットの長さを変更したい時、変更する長さの情報だけ伝えれば後は10点の図面を必要に応じて変更してくれるのです。

部品図レベルで変更指示を出す必要がありませんでした。

 

彼女が行った作業は図面を変更することですが、厳密に言えば設計作業も含まれています。ごく簡単な寸法変更の設計ではありますが、自分で考えて変更してくれるのです。

 

■CADオペの可能性

今説明した作業が出来ると、他にももっと設計の仕事を頼むことが可能です。

例えば、あるチェンジキットがあるとして、対象の製品が変更になった場合それに合わせて新しいチェンジキットを設計する作業です。

 

基本的には寸法変更、形状変更だけの設計変更です。難易度はそう高くありませんが、それでも設計作業には違いありません。

もしこの種の設計変更が頻繁に発生するようなら、CADオペでありながら設計者としての仕事もやっていると言えます。

 

もっとも、この作業をいくら繰り返しても、それ以上のレベルの設計が出来るようにはなりません。

しかし設計者としての適性アリと認められれば、CADオペから設計者へキャリアアップの道が拓ける可能性はあります。

 

機械設計で転職希望の人が知っておくべきこと

今までのお話は主に未経験者が機械設計を目指す為の情報でした。

次は現在すでに機械設計をやっていて、別の会社へ転職を希望するあなたに知っておいて欲しいことを1つだけお伝えします。

 

それは、

『同業同種がベストな転職先とは限らない』

と言うことです。

 

通常、転職先を考える時はなるべくなら今までの知識やスキルが活かせるよう、同業同種の求人を探します。

それは理に叶っており間違いではありません。

 

例えば食品業界で寿司ロボットを設計していた人が、同じ食品業界で今度は餃子の皮を作る装置を設計するのは比較的やりやすいはずです。

 

生産する対象が寿司から餃子に変わっても、食品衛生法やHACCPへの対応などは業界ルールとして同じだからです。

設計するにあたっての注意点、外してはいけないツボもある程度分かっているはずです。

 

しかし、これが半導体業界の検査機や事務機業界のプリンターを設計するとなったらどうでしょう。かなり新規に勉強することが多いし、業界ルールを学ぶ必要もあります。

 

お寿司や餃子の皮は静電気で破壊されることはないでしょうが、LSIに静電気は大敵です。かなり設計ノウハウが必要となります。

 

このように異業種よりも同業種に転職した方がキャリアを活かせる点で有利なのは間違いありません。

採用する企業側としても、より即戦力として歓迎するはずです。

 

しかし、機械設計の求人を出す企業が必ずしも同業種のエンジニアばかりを募集しているかと言えば、そうとは限りません。

 

同業種の設計者なら内部にいくらでもいる、異業種の設計者こそがすぐ欲しい、そんなケースだってあるのです。

 

カウンセラー恵理

異業種ゆえに高評価を受け、歓迎されることもあります!

先ほどの例で言えば、半導体業界をメインに事業を行っていた企業が、新規事業として食品業界へ進出するとしたら。

 

寿司ロボットや餃子の皮を作る設備にノウハウを持つ設計者は大歓迎となります。食品業界では並みの評価しかなかったエンジニアが、異業種ゆえに高評価を受けることがあり得るのです。

 

あるいは、半導体業界の企業が、自社設備の原価率低減を目的に事務機業界のエンジニアを採用するケースだってあり得ます。

 

何しろ事務機業界のコスト感覚は半導体業界の比ではありません。ものすごくシビアです。

それは事務機の販売価格が半導体製造設備に比べて桁違いに安いからです。10円、20円のコストダウンを積み重ねる世界です。

 

こうした事務機業界のシビアな視点を半導体業界に持ち込むことで、社内に大きな化学変化を生み出したいと考える企業だってあるのです。

このように異業種からの設計者を歓迎する求人もあります。

 

さて、転職先を探すにあたって一番大事なことは、あなたの今までのキャリアを最大限に評価してくれる転職先はどこか、その答えを見つけることです。

 

そしてその答えは同業同種の中から見つかるとは限りません。むしろライバルの少ない異業種に目を向けることで成功する可能性が高まるかも知れません。

 

そんな求人を見つけるには企業情報が必要です。

どんな目的で求人を出しているのか企業の需要を知る必要があります。それも一般には公開されていない深いところまで知る必要があります。

 

その求人情報の探し方については次に詳しく解説します。

 

未経験者が機械設計の求人を探すには?

さて、本文の中でも説明したように多くの機械設計者の求人は経験者歓迎です。応募条件に機械設計の経験があることを明記した求人も普通に多くあります。

 

実際問題、設計の実務経験がない、未経験者のあなたが応募出来る求人は極めて少数です。機械設計の求人全体の数パーセントに過ぎません。

 

では、その数少ない求人を見つけるにはどうすればいいでしょうか。

しかも、その求人はあなたのこれまでのキャリアを最大限活かすことが出来る求人でなくてはいけません。

同時にあなたのキャリアから機械設計者としての適性や資質をアピール出来る求人でなくてはなりません。

 

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●しかも全国的に求人を網羅しているため、関東や関西以外のエリアでも探すことが可能です。

転職支援実績は45万件以上で業界ナンバーワン、利用者の67.1%が転職後に収入がアップしています。

 

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*マイナビエージェント

マイナビエージェントものづくり

 

東京、神奈川、千葉、埼玉で機械設計の求人を探すなら絶対のお奨め転職会社です。このエリアに特に強味があり好条件が多いです。しかもサポートが手厚いです。

●自動車、機械部品、電気機器などの業界から多くの求人が出ています。
●厚生労働省から「職業紹介優良事業者」に認定された、初めてでも安心して使える転職会社です。

楽天リサーチでも「20代に信頼されている転職エージェントNo1」に選ばれています。

 

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*パソナキャリア

パソナキャリア

 

●機械設計者の求人が2,000件ほどあり、案未経験者歓迎件も300件ほどあります。未経験者には絶対外せない転職会社です。

●自動車関連、精密機器、機械部品などの業界から多くの求人が出ています。

●オリコン顧客満足度調査の「転職エージェント部門」で 第1位、「ハイクラス、ミドルクラス転職部門」で第2位を獲得しています。転職後の収入アップ率は67.1%です。

 

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*メイテックネクスト

メイテックネクスト

 

元々製造系エンジニアに特化した転職サイトです。機械設計の求人は自動車、精密機械などを中心に2,000件近くあります。

モノづくり系エンジニアの転職支援実績ではNo1であり、技術に精通した専門のコンサルタントがあなたの転職を無料でサポートしてくれます。

●ただし、関東、関西、東海以外のエリアで求人を探すには不向きな転職サイトです。

 

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*リクナビNEXT

リクナビNEXT

 

未経験者でも応募可能な機械設計の求人があります。正社員だけでなく、派遣社員の求人も掲載されています。

●機械関連メーカー、プラント設備メーカーなどの業種からの求人が多くあります。

転職者の約8割が利用している人気の転職サイトです。転職決定数もナンバーワンの実績です。

 

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好条件の求人、高額年収の求人ほど非公開案件となっています。チャンスを逃さないためにも各転職会社の会員登録を行って情報を入手して下さい。

 

会員登録、エージェントサポート、共に完全無料なので安心して利用出来ます。むろん、利用を止めたい時はいつでも退会出来ます。