『工場で高収入を目指すなら機械保全技能士がおすすめ!』

こんな見出しの記事をネットで見つけました。大変興味をそそられたので詳しく読んでみました。

情報の発信元は当サイトでも度々登場している転職サイトの1つで、ジョブハウス工場でした。工場の求人を専門に扱う転職サイトです。

 

今回はこのジョブハウス工場の記事をきっかけに、機械保全技能士の資格を活かした工場の仕事について調べてみました。

これから機械保全技能士の資格を取ろうかと考えているあなた、すでに資格を保有して転職を検討中のあなた、ぜひ参考にして下さい。

 

なお、当サイトでは以前、『機械保全技能士の資格は設備保全の転職に有利?』と言う記事を掲載しています。この記事とは少し違う観点で今回は考えてみました。

 

機械保全技能士の資格があると高収入が可能か?

ジョブハウス工場の記事によると、工場の仕事で機械保全技能士の資格を持っていると高給案件で採用になる可能性が高いと書かれています。

どのくらい高給かと言えば、

 

●一般職の時給 1,200円

●機械保全技能士の時給 2,500円

 

このくらい差があると書かれています。この例は時給なので派遣社員を想定した比較ですね。例えば1日に7.5時間勤務でひと月20日、それに残業が15時間あったとすると・・・

●1,200×7.5×20+1,200×15=198,000

●2,500×7.5×20+2,500×15=412,500

こんな感じです。

当然時給に差があると月収にも大きな差が出ます。(実際には時給2,500円の求人はそうそうありません。)

 

この例のように機械保全技能士の資格を持っていれば月収40万円以上も可能だと言うのですが、では機械保全技能士の資格を活かした時給の高い仕事とはいったいどんな仕事でしょう。

ジョブハウス工場によると、それは「保守・保全・メンテナンス」の仕事だと言うことです。

 

なるほど工場で働く場合、マシンオペレーターや組立・加工などの製造職よりも、保守保全・メンテナンスなどのエンジニア職の方が時給が高いのは確かです。

そのエンジニア職として採用されるのに、機械保全技能士の資格が有利に役立つと言う訳です。

つまり、

機械保全技能士⇒保守保全・メンテナンス職⇒高収入

とまぁ、こんなストーリーが成立するわけです。

 

それで、

『工場で高収入を目指すなら機械保全技能士がおすすめ!』

と言うことになります。

 

私はこのジョブハウス工場のキャッチフレーズが本当に事実に基づいてるかどうか、検証してみました。

 

保守保全・メンテナンスの時給・月収は高いのか?

派遣社員が工場で働く場合、保守保全、メンテナンスなどのエンジニア職は製造職より時給は高いのか、月収は多いのか?

それを次の3つの転職サイトで検証してみました。いずれも工場の仕事探し専門のサイトです。

●ジョブハウス工場

●工場ワークス

●工場求人ナビ

以上の3社です。

 

時給・月収を比較するのは、保守保全・メンテナンスのエンジニア職と、マシンオペレータの製造職です。

ではさっそく、私の調査結果を紹介しましょう。

 

ジョブハウス工場の場合

まずはそもその情報発信元であるジョブハウス工場からです。

まず時給の調査結果をまとめたのが表1です。

 

■ジョブハウス工場 時給比較(表1)

時給 保守・保全・メンテナンス マシンオペレーター
総求人件数 74(100%) 2,598(100%)
1,000円以上 73(98.6%) 2,384(91.8%)
1,100円以上 71(95.9%) 1,940(74.7%)
1,200円以上 69(93.2%) 1,506(58.0%)
1,300円以上 68(91.9%) 1,193(45.9%)
1,400円以上 64(86.5%) 940(36.2%)
1,500円以上 57(77.0%) 745(28.7%)
1,600円以上 47(63.5%) 613(23.6%)
1,700円以上 34(45.9%) 463(17.8%)
1,800円以上 30(40.5%) 298(11.5%)
1,900円以上 16(21.6%) 182(7.0%)
2,000円以上 8(10.8%) 101(3.9%)

*2018年11月末調査。派遣社員のみを対象に調べています。

 

表1を見てすぐに分かることは次の2点です。

1.派遣の保守保全、メンテナンスの求人は少なく、マシンオペレーターの仕事は多い。

2.時給は保守保全、メンテナンス職の方が高い。

 

一般に保守保全、メンテナンスは経験を重ね、知識を増やし、スキルを磨く仕事です。しかし派遣社員は一時的な負荷調整のために採用することが多く、長期雇用を前提としていません。

その為、派遣では製造職の求人は多いのですがエンジニア職の求人は少ないのです。

 

ただし、求人件数は少ないですが時給は高いです。表1ではちょっと見づらく分かりにくいと思います。グラフにしてみたので図1をご覧下さい。

 

■ジョブハウス工場 時給比較(図1)

ジョブハウス工場時給比較

 

青い棒グラフが保守保全・メンテナンス職で、赤い棒グラフがマシンオペレーターです。それぞれの時給が求人全体の何パーセントあるか割合を示しています。

例えば時給1,500円以上では、青が77%、赤が28.7%です。

つまり、保守保全、メンテナンスの仕事は全体の8割近くが時給1,500円以上であり、マシンオペレーターでは3割にも満たない求人しかありません。

明らかに保守保全、メンテナンスの求人の方が時給が高く設定されています。

例えば時給が1,500円なら月収は30万円を超えることも可能です。(残業やシフト勤務の手当てなど込みにした場合)

 

では実際に諸手当込みの月収ベースではどうか、調査結果をご覧頂きましょう。

 

■ジョブハウス工場 月収比較(表2)

月収 保守・保全・メンテナンス マシンオペレーター
総求人件数 108(100%) 3,480(100%)
20万円以上 108(100%) 2,363(67.9%)
25万円以上 86(79.6%) 1,451(41.7%)
30万円以上 49(45.4%) 748(21.5%)
35万円以上 16(14.8%) 194(5.6%)

*2018年11月末調査。全ての雇用形態を含む。正社員と派遣社員の比率は約3:7です。

 

表2は派遣社員も正社員も含めた調査結果です。金額は月収なので、全ての手当てを含めた年収を12等分したものになります。

詳しくはこちらをお読み下さい。『設備保全の月給・年収・時給はどのくらい?』

明らかに保守保全、メンテナンス職の方が月収も高額設定になっています。

グラフ化したので図2を見て下さい。

 

■ジョブハウス工場 月収比較(図2)

ジョブハウス工場月収比較

 

30万円以上の月収で見ると、保守保全職が45%以上なのに、マシンオペレーターでは21%しかありません。割合で言えば半数以下です。

ただ、時給比較のところでも説明した通り求人件数においては保守保全職の方が少数であり、高給であっても採用されるのは難しいです。

それだけに機械保全技能士の資格が役に立つと言えます。情報発信元のジョブハウス工場が言うように、「工場の仕事で機械保全技能士は高収入のチャンスが増える」と言えそうです。

 

ジョブハウス工場

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工場ワークスの場合

では次に同じく工場の求人が多く掲載されている工場ワークスを見てみましょう。

工場ワークスの求人検索は全国まとめて調べることが出来ません。関東、関西、中部など、エリアごとしか検索出来ないのです。

ここでは関東1都6県の求人について調べた結果を紹介します。まず対象は派遣社員のみです。

 

■工場ワークス 時給比較(表3)

時給 保守・保全・メンテナンス マシンオペレーター
総求人件数 256(100%) 1,454(100%)
1,000円以上 256(96.1%) 1,180(81.2%)
1,100円以上 240(93.8%) 1,116(76.8%)
1,200円以上 224(87.5%) 962(66.2%)
1,300円以上 203(79.3%) 676(46.5%)
1,400円以上 190(74.2%) 426(29.3%)
1,500円以上 143(55.9%) 204(14.0%)
1,600円以上 132(51.6%) 80(5.5%)
1,700円以上 7(2.7%) 49(3.4%)
1,800円以上 4(1.6%) 11(0.8%)
1,900円以上 3(1.2%) 4(0.3%)
2,000円以上 1(0.4%) 4(0.3%)

*2018年11月末調査。関東エリアの派遣社員のみを対象に調べています。保守保全に製造技術・生産技術を含めています。

 

工場ワークスはジョブハウス工場に比べると求人件数が断然多いです。表2は関東エリアだけの求人数であり、全国を合計すればもっと多くなります。

そして時給を比較すると、やはり保守保全、メンテナンスの方が高い設定になっています。ただ、時給1,700円以上になると大差ありません。

と言うのも、1,700円以上の求人件数がガクンと減るからです。この程度の求人件数だと調査時期によって数値が大きく変わる可能性があります。

 

では、工場ワークスも時給比較をグラフ化してみたので図3をご覧下さい。

 

■工場ワークス 時給比較(図3)

工場ワークス時給比較

 

図2のように、時給1,600円以上までは圧倒的にメンテナンスの方が割合が多くなっています。

 

次は月給ベースで比較してみましょう。正社員だけです。なお、工場ワークスで「月給」と表示されている内容を見ると、どうも「月収」のようです。

サイト中に「残業手当、その他諸手当含む」と書かれています。これは一般には月給ではなく月収扱いになります。

月給と月収の違いは『設備保全の月給・年収・時給はどのくらい?』をお読み下さい。

 

■工場ワークス 月給比較(表4)

月収 保守・保全・メンテナンス マシンオペレーター
総求人件数 145(100%) 1,323(100%)
15万円以上 140(96.6%) 1,067(80.7%)
20万円以上 134(92.4%) 810(61.2%)
25万円以上 40(27.6%) 137(10.4%)
30万円以上 6(4.1%) 72(5.4%)

*2018年11月末調査。関東エリアの正社員を調べました。

 

月給25万円以上までを見ると保守保全職の方が割合が多いことが分かります。しかし、30万円以上となると件数が減って両者の差もほとんどありません。

件数が少ないのでその時、その時の求人状況で数値はかなり変わると思います。

 

では表4をグラフ化したので図4をご覧下さい。

 

■工場ワークス 月給比較(図4)

工場ワークス月給比較

 

青い棒グラフが保守・保全、メンテナンス職で、赤い棒グラフがマシンオペレータの月給を示しています。グラフだと両者の違いがよくお分かり頂けると思います。

工場ワークスでも「工場の仕事で機械保全技能士は高収入のチャンスが増える」と言えそうです。

 

 

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工場求人ナビの場合

次は工場求人ナビについて調べた結果を紹介します。

工場求人ナビは先のジョブハウス工場、工場ワークスとは全く傾向が異なります。保守保全、メンテナンス職よりもマシンオペレーターの収入の方が多いのです。

これでは「工場の仕事は機械保全技能士で高収入」とは言えません。マシンオペレーターをするのに機械保全技能士は不要だからです。

ではさっそく意外な調査結果をご覧頂きましょう。

 

■工場求人ナビ 月収比較・派遣社員(表5)

月収 保守・保全・メンテナンス マシンオペレーター
総求人件数 95(100%) 780(100%)
15万円以上 95(100%) 778(99.7%)
20万円以上 94(98.9%) 734(94.1%)
25万円以上 54(56.8%) 501(64.2%)
30万円以上 19(20.0%) 233(29.9%)
35万円以上 7(7.4%) 47(6.0%)

*2018年11月末調査。派遣社員の月収調査結果。

 

まず、工場求人ナビ掲載の派遣社員求人からです。表5では分かりにくいので、グラフ化した図5をご覧下さい。

 

■工場求人ナビ 月収比較・派遣社員(図5)

工場求人ナビ月収比較派遣社員

 

月収が20万円以上までは保守保全、メンテナンス職もマシンオペレーターもほぼ同じ割合ですが、25万円位以上、30万円以上ではマシンオペレーターの方が割合が多くなっています。

なぜエンジニア職より製造職の方が高収入の割合が多いのでしょうか?

その答えの前に今度は正社員の月収データをご覧下さい。

 

■工場求人ナビ 月収比較・正社員(表6)

月収 保守・保全・メンテナンス マシンオペレーター
総求人件数 60(100%) 149(100%)
15万円以上 60(100%) 149(100%)
20万円以上 59(98.3%) 148(99.3%)
25万円以上 25(41.7%) 96(64.4%)
30万円以上 2(3.3%) 36(24.2%)
35万円以上 2(3.3%) 14(9.4%)

*2018年11月末調査。正社員の月収調査結果。

 

正社員の月収もまた、派遣社員同様マシンオペレーターの方が高収入の割合が多くなっています。グラフ化した図6をご覧頂くとよくお分かり頂けると思います。

 

■工場求人ナビ 月収比較・正社員(図6)

工場求人ナビ月収比較正社員

 

図6をご覧頂くと一目瞭然です。赤い棒グラフ(マシンおぺれーたー)の方が高収入の割合が多くなっています。

ではなぜ、保守保全、メンテナンスのエンジニア職よりもマシンオペレーターの製造職の収入が多いのでしょうか。

それは、次の2つの理由があるからです。

●製造職はほとんどがシフト勤務であり深夜手当がつきます。また残業も必ず発生するので残業手当がつきます。場合によっては休日出勤も発生し、これも割り増し手当がつきます。

こうした手当が大きく、時給1,500円で月収が35万円を超えるケースが珍しくありません。

 

●工場求人ナビの求人は半導体、自動車、精密部品、電子部品などの工場勤務が多く、概ねこうした業界の時給は好条件です。

時給が高いと当然手当も高額になります。手当分が月収の半分以上を占めることもあります。

私が勤務していた半導体工場でも、若い体力のある派遣社員はほぼ全員、シフト勤務を希望していました。月収は30万円を超えていたはずです。

 

以上のように、工場求人ナビの求人では一概に「工場の仕事は機械保全技能士で高収入」とは言えません。

しかし、エンジニア職にしろ製造職にしろ機械保全技能士の資格を有して、それを仕事に活かすことが出来れば評価は高くなります。それが時給や給与に反映される可能性は当然あります。

 

 

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まとめ

今回はジョブハウス工場の『工場で高収入を目指すなら機械保全技能士がおすすめ!』と言う記事をきっかけに保守保全、メンテナンス職とマシンオペレーターのような製造職で収入がどう違うのかを調べてみました。

機械保全技能士の資格を持っていれば保守保全職で採用される可能性が高く、その方が収入も多い、と言うのがジョブハウス工場のストーリーでした。

 

ここで私が調べた結果をまとめておきます。

●確かに保守保全、メンテナンス職の方がマシンオペレーターのような製造職より高収入の割合は多い。

●ただし、求人件数で見ると圧倒的に製造職の方が多く、採用の難易度で言えばエンジニア職は厳しい。

●そこで機械保全技能士の資格があれば、エンジニア職への転職に有利になる。

●工場求人ナビ掲載の求人のように、製造職でも手当が高額になるケースもあり、エンジニア職と遜色ない、あるいは上回ることもある。

 

結論から言えば、工場で働く以上、機械保全技能士の資格が高収入につながるチャンスはあります。資格を持っていて絶対損はありません。

保守保全、メンテナンスの仕事を目指すなら当然役に立つでしょうし、仮に製造職に就いたとしても仕事内容によっては評価の対象となります。

 

例えば、マシンオペレーターをしながら始業点検、日常点検などがこなせる自主保全士として評価してもらえるかも知れません。

すぐに直接の時給アップにつながらなくても雇用の安定、長期的にみた収入アップに役立つ可能性があります。

 

あなたがこれから工場勤務を目指した転職をお考えなら、機械保全技能士の資格は決して損のない資格と言えます。

資格の取り方、求人情報の探し方についてはこちらの記事をどうぞご覧下さい。

『機械保全技能士の資格は設備保全の転職に有利?』

『機械保全技能士の資格を活かした転職情報の探し方』

 

では最後に、今回私が調査した転職サイトを紹介しておきます。